2004年 10月16日 | 「HDR-DTL」 の特殊形 | >> 目次 (テーマ ごと) |
● QUESTION | 一見、「HDR-DTL」 の形式になっているが、DTL のみ、ということはあるか。 | |
▼ ANSWER | ある。 | |
2009年11月 1日 補遺 |
「HDR がないのに、 DTL がある」 という事態は、「起こり得る」 かもしれない。 たとえば、同じ取引先と、1日のなかで、いくども取引をしていて──したがって、取引日の同じ取引が、複数、起こるのだが──、しかも、複数の取引のなかで、商品が、同じであることもあれば、ちがうこともある。
取引先コード 取引日 商品コード 数量 などなど {受注番号、取引先 コード(R)、商品 コード(R)、取引日、数量}.
HDR:
DTL:
HDR:
DTL: |
[ 補遺 ] (2009年11月 1日)
本 エッセー のなかで示した 「バッチ・バランス・リスト」 の記述は曖昧になっていて申し訳ない。というのは、「HDR」 の数量を導出項目 (D) として記述していますが、「バッチ・バランス・リスト」 では、ふつう、この数量を 「コントロール 数」 とみなして、実際の伝票上の数値を ユーザ が計算して [ 足して総計をもとめて ] 総計を入力します。そして、入力された総計値と コンピュータ のなかで計算された総計値を対比して、一致していれば OK として、一致していなければ、入力された総計値が間違っているか、あるいは、コンピュータ のなかの 「受注」 数値が入力されたときに入力 ミス (数値を間違って入力したこと) があったかの どちらかなので、一致しなかった原因を調べるために、「バッチ・バランス・リスト」 が使われます。 「バッチ・バランス・リスト」 の扱いには、以下の 2つがあります。
(1)ワーク・ファイル として扱う [ あくまで、「検算」 として扱う ]。
(2)そういう 「事実」 があったことを記録する いずれの やりかた を導入するかは、システム の性質に依存するので、プロジェクトで 「設計の基本指針」 として決めるべきでしょうね。ふつう、(1) で実施します。 さて、(2) の前提に立って、「コントロール 数」 を入力値として考えれば、以下の データ は ストア されるでしょう。 {取引先 コード(R)、取引日、数量}. そして、もし、入力された 「コントロール 数」 と コンピュータ のなかに ストア されている 以下の数量の総計が 「一致していない」 場合には、どちらかの数値が──あるいは、ふたつの数値とも──間違っていることになるので、「一致していない」 原因を調べることになります。 {受注番号、取引先 コード(R)、商品 コード(R)、取引日、数量}. もし、「コントロール 数」 の総計のほうが正しくて、「受注」 伝票の数値が (1つ、あるいは複数・多数) 間違っていたのであれば──伝票を入力するときに数値を間違っていた、ということですが──「受注」 伝票の数値を訂正することになります。この場合、「訂正伝票」 を使って数値を修正するでしょうね。原帳票 (受注伝票と受注修正伝票) が監査証跡として遺っているので、「HDR」 を ストア する意味はないでしょう。「HDR」 は、あくまで 「検算」 用の ワーク・ファイル として扱っていいでしょうね。 したがって、「バッチ・バランス・リスト」 は、ふつう、ワーク・ファイル として扱えばいいのですが、もし、内部統制上、ワークフロー において、「検算」 を実施したかどうか の証跡を遺さなければならないのであれば、「バッチ・バランス・リスト」 を ストア するかもしれない。 さて、いずれにしても、「バッチ・バランス・リスト」 は、あくまで、「検算」 機能であって、「DTL」 に対する 「HDR」 ではないでしょうね。 ただし、もし、「冊」 とか 「束」 という単位を導入していて、「受注」 を いくつか まとめて ひとつの 「冊」 (あるいは、「束」) にして、「冊」 (あるいは、「束」) が後続する event と関係をもつのであれば、「冊」 (あるいは、「束」) は──技術的には、「バッチ・バランス・リスト」 と同じです──、「HDR」 として作用します。このときには、「冊番号」 (あるいは、「束番号」) が導入されているでしょう。そして、「受注」 と 「冊 (あるいは、束)」 とのあいだには 「対応表」 が導入されるのですが、「HDR-DTL」 構成と同値でしょうね。
なお、「冊」 の 「event」 としての日付を 「作成日」 として ぼやかしてありますが、この日付の付値には、以下のような形態があるでしょう。
(1) 受注に対する期間固定
などなど。
受注番号 001 商品 A 受注日 20091001 数量 30 「期間固定」 法として、たとえば、2009年 9月27日から 2009年10月 3日までの一週間に起こった受注を ひとつの 「冊」 にするのであれば、受注番号 001、002 および 003 が ひとつの 「冊」 になります。 「数量固定」 法として、たとえば、ひとつの 「冊」 の数量を 100個 (あるいは、その近傍) とすれば、受注番号 001 と 002 を ひとつの 「冊」 にするかもしれない。したがって、「冊」 の作成日は、2009年10月 2日以後の値となるでしょう。
さらに、「商品」 ごとに、「期間固定」 「数量固定」 を適用するかもしれない。
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