2005年 5月16日 再帰 と 組みあわせ >> 目次 (テーマ ごと)
  ● QUESTION   3人が 1つの チーム を作る。組みあわせは、再帰を使って記述するのか。
  ▼ ANSWER   対照表 (あるいは、HDR-DTL) を使って記述する。
2010年 6月 1日 補遺  



[ 前提 ]

 (1) 営業員が 3人いる。 { a, b, c }.

 (2) 営業員には、営業員番号が付与されている。

 
 以下のように、営業員の組みあわせを記述したい。

   { a, b } { a, b, c } { b, c } { a, c }

 
1. 営業員の 「組」 を管理しないのであれば、HDR-DTL を使う。

 たとえば、複数の営業員が──2人のときもあれば、3人のときもある、とすれば──、いっしょに、訪問するとして、だれとだれが 「組」 であるか、という点を管理しないのであれば、「訪問」 event の HDR-DTL とすればよい。

 訪問 HDR {訪問番号、訪問日、・・・}.

 訪問 DTL {訪問番号、営業員番号 (R)、・・・}.

 
2. 営業員の 「組」 を管理するのであれば、(再帰表ではなくて、) 対照表を使う。

 T字形 ER手法では、同じ 「resource」 のなかの メンバー に対して関係を結ぶなら、再帰表を使う。
 たとえば、工程として、a と b があって、a 工程に対して、b 工程を代替工程として使うなら、(a、b) という再帰として記述する。あるいは、a 工程の次に b 工程が継続するのであれば、(a、b) という再帰になる。
 再帰は、あくまで、以下のように、「後続」 を記述する構成である。

  { a, { a, b } }.

 
 しかし、a 工程と b 工程を対象にして、工程の組みあわせを考えれば、以下のように、4組の編成 (集合族) を考えることができる。

  { a } { a, b } { b } { φ }。

 
 組みあわせは、ベキ 集合 (1つの集合 S のすべての部分集合から構成される集合族) であって、再帰ではない。
 ベキ 集合は、対照表を使って記述するのが正しい。そして、それぞれの集合族が、「組」 として認知されるのであれば、なんらかの組番号を使うことになる。言い換えれば、「組」 を認知するための番号を付与しなければならない。

  チーム {チーム 番号、チーム 名称、・・・}.

  営業員 {営業員番号、営業員名称、・・・}.

  チーム. 営業員. 対照表 {チーム番号 (R)、営業員番号 (R)}.

 
 一般的に言えば、再帰表は順列を記述して、対照表が組みあわせを記述する。

 

[ 補遺 ] (2010年 6月 1日)

 取り立てて補足説明はいらないでしょう。

 「一般的に言えば、再帰表は順列を記述して、対照表が組みあわせを記述する」 という記述は、以下のように云ってもいい。「再帰表は 『組オブジェクト』 を記述して、対照表は 『集合 オブジェクト』 を記述する」 と。「組 オブジェクト」 は、「並び」 を意識した構成であり、「集合 オブジェクト」 は、メンバー が集まった状態で 「並び」 を考慮されていない状態である。ただし、対照表のなかには、「組 オブジェクト」 を構成する場合もある──たとえば、本 ホームページ 449ページ 「対照表と組 オブジェクト」 を参照されたい。





  << もどる HOME すすむ >>
  データ解析に関するFAQ