最小自乗法を使って、変動費率と固定費を計算する。
以下を前提とする。
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売上高 |
総費用 (変動費 + 固定費) |
1月 |
2,000万円 |
1,000万円 |
2月 |
1,500万円 |
800万円 |
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x |
y |
x y |
x2 |
1月 |
2,000 |
1,000 |
2,000,000 |
4,000,000 |
2月 |
1,500 |
800 |
1,200,000 |
2,250,000 |
n = 2 Σ |
3,500 |
1,800 |
3,200,000 |
6,250,000 |
y = ax + b |
x y = a x2+ bx |
Σy = aΣx + nb |
Σx y = aΣx2+ bΣx |
1,800 = 3,500a + 2b |
3,200,000 = 6,250,000a + 3,500b |
a = 0.4 (変更費率)、b = 200 (固定費) |
次回は、変動費と固定費を計算する べつの やりかた (総費用法) の計算法について述べる。
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[ 補遺 ] (2007年 8月 1日)
最小自乗法という用語を聞いただけで、「数学の難しい やりかた」 として拒絶反応を示すひとがいるかもしれないですね (笑、そして苦笑)。最小自乗法は、1795年、ガウス が 18歳のときに、小惑星の軌道計算のために作ったといわれています。
最小自乗法は、「相加平均 (算術平均) の応用形」 だと思って良いでしょうね。たとえば、一つの量を同じ精度で n回 くり返して測量して、m1, m2, ... , mn という値を得たら、最も確からしい値 m は、m から ズレ ている数値 (m − m1, m − m2, ... , m − mm) の 「『自乗の和』 を最小にする」 関数の値であるという原理です。
v1 = m − m1.
v2 = m − m2.
:
:
vn = m − mn.
u = v12 + v22 + ... + vn2 = (m − m1)2 + (m − m2)2 + ... + (m − mn)2.
そして、u を最小にするような値があるというのが原理です。
実際、「微分」 として、du/dm = 0 を考えれば、m = 1/n (m1 + m2 + ... + mn) を導くことができます。
さて、2つの量 (x と y) のあいだの関係を実験のなかで計測して定立した式を実験式といいますが、実験式でも最小自乗法が使われます。実験式を以下のように定立します。
(1) 1つの量 (x) の測定値を x1, x2, ... , xn とする。
(2) x に対応する量 (y) の測定値を y1, y2, ... , yn とする。
(3) (x1, y1), (x2, y2), ... , (xn, yn) を座標とする点を、それぞれ、P1, P2, ... , Pn とする。
(4) ばらついている P1, P2, ... , Pn が、一直線上にあることを考えます。
その直線を y = mx + b として考えて、直線と それぞれの P 点 (P1, P2, ... , Pn) との ズレ に対して最小自乗法を使って、m と b を計算します。ちなみに、この直線として示される式を正規方程式と云います。
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