1. ロジャース (Rogers, E.M.) は 「採用曲線(adoption curve)」 を提示した。
[ Diffusion of Innovations, 1983 ]
イノベーション の普及が、以下の層を移って実現されることを示した。
(1) 革新者層 (2.5%)
(2) 初期受容層 (12.5%)
(3) 初期大衆層 (34%)
(4) 後期大衆層 (34%)
(5) 遅延層 (16%)
2. 「採用曲線」 の段階は 「製品 ライフサイクル」 の段階に対応している。
3. 1963年、AMA (アメリカ・マーケティング 協会) が ライフスタイル に関する学会を開催した。
それ以後、ライフスタイル は マーケティング の研究対象となった。
(1) 商品は使用価値である。とすれば、商品は生活者志向の ライフスタイル と密接な関連がある。
(2) マズロー (Maslow, A.H.) の 「欲求 5段階」 説は、
「生活の質 (quality of life)」 の向上を論述している。
(3) 市場細分化 (マーケティング・セグメンテーション) の基準として、
人口統計的変数のほかに、ライフスタイル 変数を加味しなければ、消費者の選好がわからない。
[ 参考 ]
マズロー の 「欲求 5段階」 説のなかで対象となっている欲求は、以下の 5つである。
(1) 生理的 ニーズ
(2) 安全 ニーズ
(3) 帰属 ニーズ
(4) 尊敬 ニーズ
(5) 自己実現 ニーズ
4. ライフスタイル 研究は、以下の 2つが代表的である。
(1) AIO 分析 [ 個別企業のための ライフスタイル 分析 ]
(2)(ヤンケロヴィッチ の) ニュー・ルール [ 社会全体の トレンド に関する研究 ]
5. AIO 分析は、ライフスタイル を以下の 3点から考慮して、さらに人口統計的変数を加味する手法である。
(変数群を多変量解析して、市場を細分化する手法である。)
(1) Action (仕事、趣味、レジャー、買い物、スポーツ など)
(2) Interest (家族、ファッション、食事、教養、メディア など)
(3) Opinion (人生、政治、ビジネス、教育、文化など)
ちなみに、人口統計的変数とは、年齢、学歴、収入、職業、家族構成、住宅などのことをいう。
6. ヤンケロヴィッチ (Yankelovich, D.) によれば、1975 年を境界線にして、価値観が変わった。
(1) 1950 年〜 1975 年は、「豊かな社会 (Affluent Society)」 であり、
「自己犠牲」 が社会の基本的価値であった。「自己犠牲」 は経済的代償を得ることができた。
(2) 1975 年以後、「ポスト 豊かな社会 (Post-Affluent Society)」 であり、
「自己充足」 が基本的な価値となった。
7. 消費者行動 (ニーズ、購買動機、購買慣習)を分析する理論 モデル として、以下が代表的である。
(1) 行動科学 モデル [ ハワード=シェス (Howard, J.A.=I.N.Sheth)]
(2) 情報処理 モデル [ ベットマン (Bettmann, J.R.)]
これらの モデル の詳細については、専門文献を参照されたい。