1. 典型的な在庫には以下の 3つの種類がある。
(1) ロットサイズ 在庫 (lot size inventories, cycle stock)
(2) 安全在庫 (safety stock)
(3) 見越在庫 (anticipation stock)
2. ロットサイズ 在庫は大量効果という在庫理由に基づく在庫である。
(1) まとめて生産すれば 1回の段取りで済むために低い コスト で生産できる。
(2) ロットサイズ は、在庫 コスト と発注・段取り コスト との トレード・オフ である。
(ロットサイズ 在庫を削減したければ、発注・段取り コスト を削減すればよい。)
3. 安全在庫は、需要や リードタイム など数量や時間の不確実性に起因する在庫である。
(1) 需要があったとき、即座に注文に応じることのできる確率を サービス 水準 (service level) という。
(2) 安全在庫は、サービス 水準を確保するために用意される在庫である。
安全在庫を削減するためには、リードタイム を削減すればよい。
4. 見越在庫は、あらかじめ予測される変動 (たとえば、季節変動など) に対応する在庫である。
すなわち、生産・原料の入手に能力制限があるため、予測変動に対して用意された在庫である。
(1) 見越在庫を生産 コスト の上昇を招くことなく削減するために用いられる やりかた は、
異なる需要 パターン の品種を組み合わせた生産設備の切り替えである。
例えば、家電製品では、需要 パターン が正反対となる生産 (冬物と夏物の生産) を同一の工場
で生産するなど (ファンヒータ と扇風機など。)
(2) 生産能力を高め、稼働率を下げないようにすればよい。
5. 有効在庫
有効在庫は、以下の定義である。契約可能在庫ともいう。
基準生産計画 [ 後述 ] のなかで、有効在庫の概念を使うので、覚えておいてほしい。
有効在庫 (available stock) = 手持在庫 (stock on hand) + 発注残 (stock on order) − 受注残 (backorder).