1. ジョブショプ・スケジューリング 問題
(1) ジョブショップ・スケジューリング の用語
ジョブショップ・スケジューリング は、以下の計画を作成することである。
● 注文の納期
● 作業順序
● 作業の所要時間
なお、ジョブショップ は、ワークショップ とか作業区とも云う。
作業手順のことを、工順 (routing、ルーチング) とも云う。
(2) 静的問題と動的問題
ジョブショップ・スケジューリング 問題には、以下の 2つがある。
● 静的問題 (すでに到着済みの一定数の仕事を対象とする。)
● 動的問題 (断続的に到着する仕事を対象とする。)
静的問題の手法としては、以下の 2つがある [ 専門書を参照されたい ]。
● ジョンソン 法
● ブルック・ホワイト 法
ジョンソン 法は、以下の 3つを対象としている手法である。
● 2作業 フロー・ショップ・スケジューリング
● 3作業 フロー・ショップ・スケジューリング
● 2作業 ジョブ・ショップ・スケジューリング
(ジョブ・ショップ に対して、) フロー・ショップ というのは、加工 ルート が同じである問題のことをいう。
ブルック・ホワイト 法は、以下の 2つを対象としている。
● 一般形の ジョブ・ショップ・スケジューリング
● 並列 スケジューリング
動的問題は、いわゆる「シミュレーション」 として考えられる定式化である。
仕事の行列のなかから、なんらかの優先順位を適用して選んだ仕事を割りつける やりかた である。
優先順位には、以下の 4つの規則がある。
● 固定的優先規則
● 先着順規則
● 最小加工時間規則
● 最小 スラック 規則
2. ライン・バランシング 問題
作業遂行単位の負荷あるいは能力の均等化 (平準化) を、ライン・バランシング (line balancing) という。
(1) 作業 ステーション (作業区、ワークセンター) の遊休時間
ライン・バランシング 問題の定式化は、作業 ステーション の遊休時間 (バランス・ロス は関数として記述できる) を最小化することを目的としている。逆に言えば、編成効率 (関数として記述できる) を最大化することにある。バランス・ロス (バランス おくれ [ balance delay ]) の値は、10% から 20%以下が良い、とされている。逆に言えば、編成効率は、80% から 90% 以上であることがのぞましい、とされている。
(2) ライン・バランシング の アルゴリズム
さまざま、あるが、実用性の高い ムーディ・ヤング 法が有名である [ 専門書を参照されたい ]。