2005年 2月 1日 作成 マスター・スケジュール と プロダクション・プラン >> 目次 (テーマ ごと)
2009年 5月 1日 補遺  

 

 
1. マスター・スケジュール と プロダクション・プラン

 (1) セールス・プラン (販売計画) を作成してから、プロダクション・プラン (生産計画) を作成する。

  (1)-1 プロダクション・プラン は、「生産速度 (生産量)」 をきめる。

  (1)-2 プロダクション・プラン を 「製品ごと」 に変換した計画が マスター・スケジュール である。

 (2) マスター・スケジュール は、(製品ごとの) 「製造予測」 である。

  (2)-1 資材 (material) の 「種類と量」(独立需要) をきめる。

  (2)-2 生産力 (capacity) 計画の情報 (ワークセンター の負荷情報) を集める。

 (3) マスター・スケジュール (MPS) は、MRP への インプット である。

 
2. MPS、MRP と CRP

 (1) マスター・スケジュール (MPS) を基礎にして、資材の量と生産力を計画する。

  (1)-1 MPS のなかで計画された 「品目ごとの量」 (独立需要) を インプット にして、
       MRP (資材所要量計画) は 「部品の所要量」 (従属需要) を計算する。

  (1)-2 MRP の 「計画 オーダー と オープン・オーダー」 を インプット にして、
       CRP (能力所要量計画) は、「生産力の負荷」 を計算する。

 (2) マスター・スケジュール と組立計画は、ちがう。

  (2)-1 マスター・スケジュール は、モジュール で示される。

  (2)-2 組立計画は、(色や オプション を加味した) 具体的な完成品で示される。

 
3. 見込生産の マスター・スケジュール

  (1) 需要を予測して、在庫補充用の計画 オーダー をきめる。

  (2) その計画 オーダー を基礎にして、マスター・スケジュール が作成される。

  (3) 生産速度 (生産量) は、必要量として扱われ、計画量ではない。

 
4. 季節変動

  季節増加があるときには、在庫を事前に増やしておかなければならない。

  (1) 計画 オーダー を固定化する。

  (2) 「固定化する」 ためには、計画担当者は、計画 オーダー に対して、 flag を立てる。

  (3) flag が付与されている計画 オーダー については、再計画をしない。

 
5. 受注生産の マスター・スケジュール

  (1) オプション 品が多ければ (多品種であれば)、最終組立品ごとに予測することは、むずかしい。

  (2) オプション 品を、いくつかの サブ 組立品 (モジュール) として、まとめる。

  (3) それぞれの モジュール に対して、資材と生産力を計画する。





[ 補遺 ] (2009年 5月 1日)

 本 エッセー では、以下の プロセス を再確認しています。

 利益計画 → 販売計画 → 生産計画 → { 基準生産計画 → 資材所要量計画 → 能力所要量計画 }.

 { 基準生産計画 → 資材所要量計画 → 能力所要量計画 } は三位一体になった スケジュール 機能です。
 基準生産計画 (MPS) は、マスター・プラン とも云い、「製造計画」 です。上述した プロセス を (「生産計画」 以降に対して、) オーダー の観点に立てば、以下のようにも記述できます。

 生産計画 → { 計画 オーダー (製造計画 → 資材の計画 → 生産力の計画) } → オープン・オーダー

 「計画 オーダー」 というのは、スケジュール のなかで計画中の製造 オーダー で、「オープン・オーダー」 というのは、計画を終えて リリース された製造命令です。したがって、「オープン・オーダー」 は、(基本的に [ 理論的には ]) 変更できないのですが、実際には、変更がおこなわれることがあるようです。

 見込生産の場合には、「需要予測」 を考慮します。すなわち、

 生産計画 → { 計画 オーダー (製造計画 → 資材の計画 → 生産力の計画) } → オープン・オーダー
         ↑
       需要予測

 見込生産では、需要を予測して、手持ちの在庫で賄えない需要に対して 「計画 オーダー」 を スケジュール することになります [ 需要予測数 − 在庫数 = 計画 オーダー 数 ]。そのときに、生産力を超える需要が生じるとわかっていれば──その典型的な例が 「季節変動 (季節増加)」 です──、その需要に対する計画 オーダー を前倒しで スケジュール することになります。そして、この計画 オーダー は、確実に 「オープン・オーダーオーダー」 としなければならないので、次回の スケジュール のなかで、再計画の対象にならないように flag を立てて 「再計画対象外」 とします。

 受注生産では、一回切りの受注でないかぎり、パーツ を なんらかの モジュール 単位で (すなわち、オプション 品として) 構成していることが多い。オプション 品を組み立てて ひとつの オーダー を構成するという組立生産の形態をとることが多い。その構成を 「ファミリー 構成」 と云います。たとえば、自転車を例にすれば、

  5段変速の自転車(1,000台/週)
     ┣ 共通部品(100%)
     ┣ フレーム
     ┃  ┣12インチ(50%)
     ┃  ┣22インチ(30%)
     ┃  ┗23インチ(20%)
     ┣ シート
     ┃  ┣ビニール(70%)
     ┃  ┗本皮(30%)
     ┣ ハンドル
     ┃  ┣標準(80%)
     ┃  ┗ドロップ(20%)
     ┗ 電灯
        ┣ハンドル(50%)
        ┗車輪軸(50%)

 
 勿論、組立生産は、(受注生産に限らないで、) 見込生産でもおこなわれていることが多い (たとえば、自動車製造など)。オプション 品ごとに予測を立てるのは難しいので、上掲の 「ファミリー構成計画部品表」 のように、最終完成品の需要を予測して、オプション 品には比率を適用することが多い。





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