1. デリバティブ 取引の目的
デリバティブ (derivatives) は 「金融派生商品」 と訳され、債券・株式など本来の金融商品から派生した商品で、デリバティブ 取引は以下の 4つに類別される。
(1) 先渡取引
(2) 先物取引
(3) スワップ 取引
(4) オプション 取引
デリバティブ 取引の特徴は、将来の価格を予測して売買や交換を約束 (信用取引) するという点にある。したがって、少ない資金を使って大きな投資効果を得ることができる。将来を予測することが前提になっているので、リスク を ヘッジ できるが、リターン が大きいほど リスク も大きくなる。
デリバティブ 取引には、取引所取引と相対取引の 2つがある。先物取引は取引所取引である。先渡取引と スワップ 取引は相対取引である。オプション 取引には、取引所取引と相対取引の両方がある。
2. デリバティブ 取引の評価
デリバティブ 取引は、財務会計では、以下のように評価される。
(1) 正味の債権・債務は、時価をもって貸借対照表上に記載する。
(2) 時価の変動によって生じた評価差額は、当期の損益として計上する。
(3) 委託手数料などの付随費用は、(時価に加味しないで)その期の費用とする。
上場 デリバティブ は市場価格が成立するので、「取引所の最終価格」 を時価とする。
非上場 デリバティブ は 「最善の見積額」 を用いる。
デリバティブ 取引の対象となる金融商品に関して市場価格がないなら--あるいは、公正な評価額が計算できないなら--、取得価額を貸借対照表価額とする。
以下に、先物取引の簡単な仕訳例を示しておくが、デリバティブ 取引は極めて複雑な構造になっているので、それぞれの取引の仕訳については、専門書を参照されたい。