1. 二取引基準と一取引基準
外貨建て取引では、取引の構成を判断するために、以下の 2つの考えかたがある。
(1) 二取引基準
(2) 一取引基準
二取引基準とは、外貨建て取引を以下のべつべつの 2つの取引から構成されるとする考えかたである。
(1) 物品取引 (外貨建て取引)
(2) 決済取引 (円決済取引)
一取引基準とは、外貨建て取引と円決済取引は連続する 1つの取引であるとする考えかたである。
二取引基準と一取引基準では、「為替差損益」 の扱いが違ってくる。
というのは、二取引基準では、為替差益は財務活動による キャッシュフロー として解釈されるから。
2. 為替予約
為替予約の会計には以下の 2つがある。
(1) 振当処理 (一取引基準である)
(2) 独立処理 (二取引基準である)
独立処理では、外貨建て取引については直物 レート を使う。
ちなみに、為替予約差額には以下の 2つがある。
(1) 直直 (じきじき) 差額
(2) 直先 (じきさき) 差額
「直直差額」 とは、取引時点と予約時点との間に生じる為替 レート の変動による差額のことをいう。
「直先差額」 とは、予約時点の直物 レート と予約 レート の違いによる差額のことをいう。
なお、直先差額は、予約期間にわたって償却しなければならない。
日本では、実務上、振当処理が使われてきたが、新しい会計基準では、独立処理とされ、ヘッジ に対しては振当処理が認められている。