1. 利益計画が作成されたら、次ぎに、資金計画を作成する。
資金は、事業過程のなかで循環しているので、以下のように分類される。
(1) 現金預金 (cash at hand)
(2) 設備資金 (固定資産に投下された資金)
(3) 運転資金 (原材料、仕掛品、製品、売掛金、受取手形などに投下された資金)
(4) 総資金 [ (1) + (2) + (3) ]
2. 正味運転資金は、以下の 2つの式のいずれかを使って計算される。
(1) 流動資産 − 流動負債
(2) (固定負債 + 自己資本) − 固定資産
(1) では、流動資産が増加して、流動負債が減少すれば、正味運転資金は増加する。
逆に、流動資産が減少して、流動負債が増加すれば、正味運転資金は減少する。
(2) では、固定負債が増加し、自己資本が増加し、固定資産が減少すれば、正味運転資金は減少する。
逆に、固定負債が減少して、自己資本が減少して、固定資産が増加すれば、正味運転資金は減少する。
以上の式を使って資金の源泉と使途をまとめた表が 「資金運用表」 である。
▼ [ 資金運用表 ]
A. 資金の源泉
a. 固定負債の増加
b. 自己資本の増加
c. 固定資産の減少
B. 資金の使途
a. 固定負債の減少
b. 自己資本の減少
c. 固定資産の増加
____________
正味運転資金の増減
C. 正味運転資金の増減原因
a. 流動資産の増加
b. 流動負債の減少
c. 流動資産の減少
d. 流動負債の増加
3. 資金の収支を対象とした経営計画が資金計画である。
資金計画は、資金の種類に対応して、以下の 3つに類別される。
(1) 現金資金計画 (月次の予定資金運用表)
(2) 運転資金計画 (年次の予定資金運用表)
(3) 設備投資計画 (耐用年数に対応した経済性計算表)
4. 経営計画が作成されたら、予算が編成される。
予算は、以下の 2つに類別される。
(1) 経常予算 (損益予算と資金予算)
(2) 資本予算 (設備投資予算)
予算編成の手順 (予算案の立案、調整、審議、内示、承認、通達) は、込み入っているので割愛する。