(1) 経営戦略論が、今までの経営計画論と違う点は、以下の 2点にある。
● 環境適応の観点を提示している。
● 単純な 「合理的判断」 の予測ではなくて、不確実な変数があることを提示している 。
(制約された合理性)
つまり、戦略論は、「一定の環境変数の限界のなかで合理的である」 ことを提示して、環境の変化に
応じて、継続的に新たな判断をおこなわなければならないことを提示した。
(2) アンソフ (Ansoff, H.I.) によれば、マネジメント は、歴史的に観て、以下の 3つの段階を辿ってきた。
[ Corporate Strategy, 1965 ]
● 高い生産性を実現する (テイラー の科学的管理や メイヨー の人間関係論)。
[ 5つの事業過程 (購買・生産・販売・労務・財務) のなかで生産過程に研究が集中した。]
● 高い操業度を実現する (第二次大戦後の商品の大量化)。
[ 組織過程を考慮した経営過程全体が研究対象となった。]
● 外的・戦略的問題 (external or strategic problems) を研究対象にする。
(3) 戦略的という意味は、「問題志向的」 であるのではなくて、「機会志向的」 であることを特徴とする。
● 管理過程では、「戦略的計画 (strategic planning)」 が導入されるようになった。
● 生産過程では、「R&D」 を取り込んで、生産の概念が拡大した。