2003年12月 1日 作成 企業戦略・事業戦略・業務戦略 >> 目次 (作成日順)
2008年 3月 1日 補遺  

 

 
1. 企業がおこなう意思決定は、以下の 3つがある。

 (1) 戦略的意思決定 (strategic decisions)──目標や方針の立案、経営資源の配分など
 (2) 管理的意思決定 (administrative decisions)──経営資源の調達、組織の構造 (権限と責任) など
 (3) 業務的意思決定 (operating decisions)──予算の割り当て、手順や統制など

 
2. 意思決定に対応して、戦略は以下の 3つがある。

 (1) 企業戦略 (corporate strategy)──企業全体の観点から策定される。
 (2) 事業戦略 (business strategy)──事業部門、特定製品、特定市場のために策定される。
 (3) 業務戦略 (functional strategy)──日常業務のために策定される。

 
3. 企業戦略・事業戦略・業務戦略は、相互依存関係にあって、企業組織の管理階層と対応する。

 (1) 企業戦略は トップ・マネジメント (top management) が策定する。
 (2) 事業戦略は ミドル・マネジメント (middle management) が策定する。
 (3) 業務戦略は ロワー・マネジメント (lower management) が策定する。

 
4. (複数事業部制を前提にした) 戦略の概念には、以下の 2つがある。

 (1) 「どのような事業の集合で戦うべきか」 (全社戦略)
 (2) 「或る事業で、いかに戦うべきか」 (事業戦略)





[ 補遺 ] (2008年 3月 1日)

 経営学の書物を読んでいて、「戦略」 という ことば の 「意味」 を、私は理解しにくいときがあります。というのは、「戦略」 という ことば が 2つの 「語義」 をもっているようです。「戦略」 という ことば の使いかたには、どうも、以下の 2つがありそうです。

 (1) 機能的
 (2) 構造的

 「機能的」 には、「戦略」 は、「意思決定」 と同義で、企業全体を設計して、環境との関連で目的を定式化し、業績評価をおこなう経営的意思決定のことを云います。

 いっぽうで、「構造的」 には、「戦略 (strategy)」 は 「戦術 (tactics)」 といっしょに用いられて、「戦略」 が 「作戦計画」 のことで、「戦術」 が 「使用法」 のことを云うようです。

 「戦略」 には、以上に述べた ふたつの使いかたがあるので、「企業、事業、業務」 という階に対して、「機能的」 には、それぞれの 「戦略」 があって、「corporate strategy、business strategy、functional strategy」 という言いかたもあれば、いっぽうで、「strategy → tactics → operational」 という言いかたもするようです。ただ、基本的には、「企業戦略」 が経営的意思決定 (経営戦略) とみなされているようです。ちなみに、経営的意思決定 (経営戦略) は、具体的に以下の過程を云います。

 (1) 企業環境における (存続と成長の) 機会・(存続・成長を危うくする) 脅威の認識
 (2) 組織のちから (商品企画・開発・マーケティングなど) の相対的強み・弱みの検討
 (3) マーケットでの 「domain (領域)」 の設定
 (4) 「domain」 に対応した企業資源の重点的配分

 「事業」 レベル では、「戦略」 は、実際には、「戦いかた」──たとえば、「販売上の戦略」 など──という意味で使われているようです。





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