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It is easier to descend than ascend. |
ちなみに、僕は、T字形ER手法を広めようとしてこなかった--まわりの人たちから、そういう態度を怒られていますが、「T字形ER手法は、知る人ぞ、知る」というふうに--ほんとうに理解してくれる人たちのみが使えば良い、というふうに--僕は考えています。 そう考えるようになったのは、コッド氏の「12のルール」(参考)が、マーケットでは、無視されてきたことを、目の当たりにしてきたからです。 設計思想を「歪曲」されて使われることは、モデルを作った本人としては、非常に辛いことではないでしょうか。この点は、モデルを 作っている僕も、モデルを作った同士として、同意できます。 ただ、技術というのは、(それが、いかなる思想を前提にしていても、) 技術としてのみ使うことができる、という点が特徴であることも事実です。「普及」と「理解」のはざまで揺さぶられるのが、モデルを作った人の宿命かもしれないですね。
当時、プロダクトとしてマーケットに出てきたRDBの「多くは」、コッド関係モデルを忠実に実装していなかったので、コッド氏は、自らの理論が「歪曲」されていることを嘆いて、リレーショナル・モデルを、正当に理解してもらうために、(リレーショナル・モデルの根底にある考えかたを) 「12のルール」を提示したのではないでしょうか。
そして、RDBは、パージョンアップのなかで、indexing を搭載したので、セット・アット・ア・タイム法が、いつのまにか、レコード・アット・ア・タイム法のように使われるようになってしまい、コッド関係モデルを前提にした設計 (コッド正規形) が無視されて、indexing を前提にした V-SAM ファイル向けの設計が、事実上、「テーブル」として実装されているようです。そして、V-SAM ファイル上に、「view」を導入したプロダクトが、RDBだとみなされているようです。
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