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It is ill to drive black hogs in the dark. |
(1) 歴史のなかで継承され進化してきた学問(知識)を前提にして、
(2) (だれかが、すでに、作った) 「モデル」を前提にして、
(3) (だれかが、すでに、作った) プロダクトあるいは技術を適用して、 小生は、「モデル」という用語を、広い意味で使っていて、「アルゴリズム」と同義である、と理解してください。(1)は、さらに、「汎用的に使うことができるモデル」を作る基礎研究と、「或る目的を実現するために使われるモデル」を作る応用研究の2つがある、と考えていいかもしれない--もっとも、それらの境界線は、曖昧かもしれないけれど、、、。
さて、小生自身は、(2) と (3) を仕事としているエンジニアです。企業のなかで働いているエンジニア(practitioners)は--研究職に従事しているエンジニアを除けば--、ほとんど、すべて、(2) あるいは (3) を仕事にしているでしょうね。
どうして、わざわざ、以上のことを言及したのか、と言えば、コッド関係モデルと(プロダクトとしての)RDBMSは、「相違する」という点を言いたいからです。RDBMSは、コッド関係モデルを基礎にして作られていて、コッド関係モデルの一部(セット・アット・ア・タイム法としてのモデル)を導入していますが、コッド関係モデルを、包括的に包摂している訳ではない。 RDBMSは、プロダクトとしての技術(mechanism と techniques)を搭載している。したがって、RDBMSを観て、コッド関係モデルを、逆に「推測」して、批評するということは、的外れになる。コッド氏のモデルは、彼が記した論文・書物のなかに示されている。1つのモデルを前提にして、2つの相違するプロダクトを作ることができる。或るモデルを、プロダクトとして、どのような「しくみ(machanism)」を使って具体化するか、という点は、プロダクトを作るエンジニアの力量が問われる。上述した(2)の仕事も、極めて、むずかしい仕事である--エンジニアなら、だれでもが できる、という訳ではない。そして、マーケットに対してセールスするプロダクトであるからには、どうしても、プロダクトを作るための費用を斟酌しなければならない。
さて、上述した(3)を仕事にしているエンジニアが、コッド関係モデルのデータ正規形を、「RDBMS向けのデータ構造を作る」技法として考えるのか、それとも、「関係モデル」--セット概念および第一階述語論理を前提にして、直積集合を使ったモデル--を、汎用的なモデルとして、考えるのか、という点は、論点になるでしょうね。
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