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Play a devil's advocate. |
コンサルタントが、現実的な問題点に対して、理想的なソリューションを提示することは、実に、たやすい。しかし、現実的なソリューションは、「制約された環境」のなかで選ばれなければならないし、しかも、ユーザの理解したことが上限である。 もし、コンサルタントが、理想的なソリューションを提示して、ユーザが、そのとおりにやって失敗しても、「かれら (ユーザ) には、そのやりかたを理解する実力がなかった」と言い逃れすれば、コンサルタントの実力を疑われることはない--ユーザが力不足であった、というふうに、責任を転嫁できるから。 理想的なソリューションを語ることができるために、コンサルタントと呼ばれている職業人ほど、コンサルタントとして危険な人物はいない。逆に、仕事の細かな手続きを熟知していて、ユーザとの折衝も巧みなのだが、「経営」の感覚が欠如しているコンサルタントもいる--こういう人物も、コンサルタントとして、危険人物である。外国の文献を翻訳して、それを講釈しているだけで、コンサルタントと呼ばれている人々もいる。また、学者 (研究者) としては、研究不足なので、コンサルタントになった人々もいる。だが、いずれも、コンサルタントには値しない。
コンサルタントは、依頼主に対して、考えることを迫るのが正しい役目である。そして、コンサルタントの理想形は、devil's advocate を演じることができる、という役割である。すなわち、ユーザが考えているソリューションに対して、「わざと」、反対して、ソリューションを、様々な観点に立って検討できる、というのが devil's advocate としての役割である。
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