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Kindle not a fire that you cannot extinguish.

 
 わたしは、ときどき、みずからが、ドン・キホーテ (Don Quijote) のように感じることがある。ドン・キホーテは、セルバンテス作の長編小説に出てくる主人公であるが、騎士道の物語を読み過ぎて、妄想に陥って、みずから騎士を真似して、痩せ馬ロシナンテに跨(またが)って旅に出て、滑稽な冒険をする。

 わたしは、実力のないにもかかわらず、データ設計技法を作るなどという大それた仕事 (旅) に向かったことを後悔しているのではないか。痩せ馬 T字形ER手法に跨って、滑稽な旅を続けている道化師のような思いがする。

 T字形ER手法を、渾身の力を注いで作ったが--精確に言えば、作っている最中だが--、その1つ1つの技術を検討してみれば、すでに、学問の世界のなかで、「通説」になっている考えかたを--しかも、初歩的な考えかたを--使っているにすぎないし、(総力を注いだ割には、) なんら、独自な着想などない、ということがわかったあとには、寂しさしか遺らない。
 10年を費やして、わたしが作った物は、この程度にすぎなかったのか、、、。
 それにしては、払った代償が多すぎる、、、。

 
 (2005年 7月 8日)

 

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