前回、「少なくとも、『現状を記述する』 という作業では、システム・エンシ゛ニア の視点なぞいらない。」 ということを述べました。
ただし、それは、システム・エンシ゛ニア がいらない、ということを言っているのではない、という点に注意してください。システム・エンシ゛ニア の使命は、現状を記述したあとから始まります。すなわち、(記述された 「事実 (現状)」 を資料にして、) 現状のなかに潜んでいる問題点を感知して、ソリューション を提示する、という仕事が、システム・エンシ゛ニア の役割です。
そのためには、「事実 (現状)」 を正確に記述しなければならない。とすれば、エント゛・ユーサ゛ の思い込みや システム・エンシ゛ニア の解釈は、「事実」 を記述する段階では、邪魔です。
システム・エンシ゛ニア は、職責として、「網羅性の検証」 に関して、鋭い意識をもっているはずです--そういう意識をもつように、職業柄 (職責として)、訓練されているはずです。
そして、システム・エンシ゛ニア は、事業の渦中に関与しないことが長所となって、事業と環境変化 (事業環境の変化および技術環境の変化) を対比できる ホ゜シ゛ション にいます。
システム・エンシ゛ニア としての 「職業的 ホ゜シ゛ション と職責的意識」 を駆使して、「現状」 のなかに潜んでいる問題点 (issue) を、いち早く感知して、ソリューション を提示するのが、システム・エンシ゛ニア の使命である、と小生は思っています。
そういう 「職業的 ホ゜シ゛ション と職責的意識」 が正しく作用するためには、「事実が正確に記述されていること」 が前提になります。エント゛・ユーサ゛ と面談して、事業の状態 (現状、事実) を、すべて、聞き取ることなど、所詮、できやしない。
事業の構成図を作成するのが--おおまかに不正確に作成する、あるいは、思い込みで作成することが-- システム・エンシ゛ニア の仕事ではないでしょうね。システム・エンシ゛ニア には、もっと大切な仕事 (問題点の認知、ソリューション の提言) があります。そして、その仕事は、およそ、コンヒ゜ュータ・システム が存在するかぎり、存在するでしょうね。そして、小生は、システム・エンシ゛ニア であることに対して、誇りを抱いています。
(2005年11月 1日)