モデル (modeling) という用語が使われるようになって、モデル 作成法の流派が いくつも樹立されてきました。そして、システム・エンジニア たちは、モデル を重視して、モデル を学習して、モデル の適用事例を多数に堆積すれば、現実の世界 (事業過程) を パターン 化して記述できるようになるなどと妄想を抱くようになったようです。
でも、これは、「正しい構造をモデル のなかに持ち、それを外に対して適用する」 考えかたであり、モデル の外 (そと) にある事業過程を軽視して、重点を モデル に置いてしまって、モデル の目的と外れてしまっています。そういうふうに、モデル の目的を外してしまうと、モデル の パターン を多数に用意していても、実用には役立たないでしょうね。
パターン は、あくまで、参照項であって、パターン を確実に使いこなすためには、実際の事態を知り尽くしていることが前提になっているはずです。経営過程を対象にした システム 作りでは、実際の事業過程の手続きを離れて、ほかに パターン という事態がある訳ではない。「パターン を参照項として学習すること」 を私は推奨しますが、パターン を学習すれば現実の事態を知ることができるなどと システム・エンジニア が思えば、「格物窮理」 の罠に陥った酔心にすぎないでしょうね。
(2007年 2月23日)