画法 (diagramming) の構成的欠陥は、少なくとも その大半は 「logic (論理法則)」 で直されるはずである。「論理法則」 で解決すべきことに 「経験」 を煩わせてはならない。
私には、モデル (modeling) が 「現実的事態」──ただし、ここでは、「管理過程」 のことを云いますが──の価値と次元がちがうようには思われない。ところが、システム・エンジニア のおおかたは、画法を使って みずからの判断力で事業過程・管理過程を設計しようとする奇妙な衝動にかられるようですね。システム・エンジニア たちが単なる画法で描いた・その弱々しい構成に接するたびに──網羅性・検証可能性を無視した記述を観るために──、私が感じるのは、デッサン の ちから もないのに、絵画を いっぱしに描いているふりをしている 狡猾さ・滑稽さ です。
かれらには、事業過程・管理過程は、システム・エンジニア などに一顧も与えないことが、どうしても わからないようですね。事業には事業 固有の原則があります──だから、「経営」 (management [ 計画・管理 ]) という行為が存在するのでしょう。そして、「経営」 のなかで編成された事業に対して形式的構成を与えて、事業を コンピュータ のなかに記述するのが システム・エンジニア の役割であるということを かれらは どうしても わからないようですね。かれらは、じぶんが描いた思い込みで事業を 「眺めて」 設計して、いっぱしに評家を気取っているにすぎない。どうして、システム・エンジニア は、「事業の設計者たらん」 とする奇妙な衝動にかられるのかしら。
(2008年11月23日)