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A man in a passion rides a horse that runs away with him. (Thomas Fuller)

 

 Bloomsbury Thematic Dictionary of Quotations の セクション anger のなかで、以下の文が私を惹きました。

    Never go to bed mad. Stay up and fight.

    Phyllis Diller (1917- ) US writer and comedienne.
    Phyllis Diller's Housekeeping Hints

 
    Anger has overpowered him, and driven him
    to a revenge which was rather a stupid one,
    I must acknowledge, but anger makes us all
    stupid.

    Johanna Spyri (1827-1901) Swiss writer.
    Heidi, Ch. 23

 
 ほんとうの怒りは、一時の激昂で炸裂するのではなくて、静かに継続する意志に似ているのかもしれない。しかし、ほんとうの怒りとは いったい どういう対象に向けられた怒りなのか、、、きっと、じぶん [ じぶんの拙さ・不甲斐なさ ] に対して向けられた怒りでしょうね。そういう怒りが現代では喪われているのではないかしら──機械が じぶんの行為を代行してくれるので、機械を使えば じぶんが骨を折らないでも やりたいことを実現できるし、ときには、じぶんができないことも機械を使えば実現できる。充足感に満たされた魂には怒りは生まれないでしょうね。機械を使っている じぶんが実は機械の一部になってしまっているというのは喜劇ではないか。

   私の歳 (60歳近い) になれば、個人的・恣意的に憎しみ・復讐を覚えるような怒りは、ほとんど起こらない [ 少なくとも、私には、そういう下衆(げす)い性質は ほとんどない ]。ただ、若かった頃 (30歳代) を振り返ってみれば、仕事や恋愛において、嫉妬心を感じて一時的な腹立ちに駆られて相手を憎んだことは幾度もあった──いま、それらの場面がまざまざと思い浮かんできます。「嫉妬・怒りは じぶんを駄目にする」 ことを私は 当時 実感して、それらの感情を コントロール できるように努めました。そして、その修養は、後々 (40歳代)、とても役に立ちました。というのは、その頃、私は、じぶんの技術を世に問うて、数々の非難を浴びることになったので。数々の非難を浴びても逆上しないでいるには、そうとうな落ち着き (図太さ?) をもっていなければならない。非難・皮肉を言われても逆上しない対応法として、私は芥川龍之介の ことば を思い起こします。芥川龍之介曰く、「ナポレオン でも蚤 (のみ) に食われた時は痒 (かゆ) いと思ったのに違いないのだ。」 と (「侏儒の言葉」)。そう思えば、きっと、腹も立たないでしょう (笑)。

 
 (2011年 3月23日)

 

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