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Egotism is the anesthetic that dulls the pain of stupidity. (Frank Leahy)

 

 Bloomsbury Thematic Dictionary of Quotations セクション egotism のなかで、以下の文が私を惹きました。

    Against whom?

    Alfred Adler (1870-1937) Austrian psychiatrist.
    Said when he heard that an egocentric had fallen in love
    Some of My Best Friends (J. Bishop), 'Exponent of the Soul'

 
    Egotist, n. A person of low taste, more
    interested in himself than in me.

    Ambrose Bierce (1842-?1914) US writer and journalist.
    The Devil's Dictionary

 
 二つの引用文を読んで私は大笑いしました。一番目の引用文では against の使いかたが絶妙ですね (慣用では fall in love with と言う筈を against を使って egocentric の特質を言い当てています)、そして二番目の引用文は、egotist を定義している本人自身が egotist である事を仄 (ほの) めかしていますね (than in me がそれを表しています)。

 Egotism と語形・意味が似た単語に egoism があります。これら二つの単語の意味は、ほとんど重なる様ですが、egoism のほうは学術用語として使われるそうです──Oxford Compact English Dictionary には Usage として次の説明が載せられています。

    The senses of egoism and egotism overlap, but egoism
    alone is a term used in philosophy and psychology to mean
    'self-interest' (often contasted with altruism).

 Merriam Webster's Dictionary of Synonyms では、egotism は contempt for or disregard for other's interests or opinions を暗示しているけれど、egoism は (It) seldom suggests a tendency to display oneself or to attract attention to oneself とのこと、一言でいえば、egotism は、他人を蔑視して、I とか my とか me を多用した自我吹聴癖でしょうね。Egotism (および egoism) は、Merriam Webster's では、conceit の範疇で記載されているのが興味深い [ conceit = excessive pride in oneself, or in one's powers, abilities, etc ]。

 私は、「独断的」 だとか 「高慢さが芸になっていない」 とか云われているらしいので、他人の眼には紛れもなく egotist に見えるのでしょうね。私としては、自意識と向きあって、生活上で 個性や その vulnerability を凝視して吐露しているつもりなので他人との比較などした事もないし (そうするつもりもないし) 他人を倣 (なら) う事も多いので自惚れてはいないつもりですが、自分自身には係わりのない事をほとんど聞き流すので、egotist に見えるのでしょうね。以前、誰かに云われたのですが、「『僕には関係のない事だから (I'm not part of it)』 と言うのが マサミ さんの口癖の一つですね」 と。仕事で集中している事の他には興味を抱かない私の性向は、常識では信じられないほどの absent-minded な状態であって、10数年も通った道で迷子になった事が連続して三回もあって、周りの人たちに迷惑を多々掛けているのですが、私の性質を知っている人たちは諦めて苦笑していますが、私の性質を知らない人たちは私がわざと [ 故意に ] やっているのではないかと憶測する様です──しかし、本人は至って真剣なのです。ただ、私は仕事で集中している事以外には注意を払わないという意味では自分勝手なのかもしれない (苦笑)。

 私は他人と比較して自分を語る事を良しとしない、私が他人を非難する時は、集合 (大衆) としての性質を的にしているのであって、私が物言う時には、人格 (character) として自己主張する事、一人の個性的な仕事に依って他人に応じる事を常に心掛けています。その意味では egoism が思考の根柢にある事は確かでしょう。Merriam Webster's には egoism の例文として次の文が記載されています。

    She preferred to be herself, with the egoism of women─Meredith.

 私の考えかたも これに近い。しかし、自我を意識した成人たちの中で、そうでない人などいるのかしら。私は自分の個性を大切にするが故に、相手の個性も尊重します。その意味では、私は egoism が強いのでしょうね。しかし、幸いにも、他人が私に下した批評を聞き流すという自分勝手な性質も私はたっぷりと持っているので、他人にどうこう云われて苛立った事も ほとんどない (笑)。

 
 (2013年 2月16日)

 

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