Bloomsbury Thematic Dictionary of Quotations セクション fear のなかで、次の文が私を惹きました。
It is a miserable state of mind to have few
things to desire and many things to fear.
Francis Bacon (1561-1626) English philosopher.
Essays, 'Of Empire'
Let me assert my firm belief that the only
thing we have to fear is fear itself.
Franklin D. Roosevelt (1882-1945) US Democratic president.
First Inaugural Address, 4 Mar 1933
Fear の意味は、unpleasant emotion caused by exposure to danger, expectation of pain, etc. ここでは anxiety くらいの意味でしょう── fear という語は、a loss of courage amounting to cowardice を暗示しています。したがって、ふたつの引用文は、いずれも、今風に言えば、negative thinking を誡 (いまし) めています。恐怖 (心配する事) には、恐怖に対する恐怖というものしかないのかもしれない。つまり、それは想像から生ずる不安・臆病にすぎないのかもしれない。
Positive thinking とは、Goal-oriented (Solution-oriented) な思考をしていれば、自ずとそうなるのではないかしら──目的を実現するために、次に如何なる手を打つか、というふうに つねに積極的に考えていれば、少なくとも悲観的にはならないでしょう。Solution-oriented を説いた書物は、いつの時代にも出版されているので、逆に言えば、そんな思考法は百も承知だが、実践しようとしても他の様々な邪魔が入って いつも挫折するので、自身を鼓舞するために、そういう類の書物を時を置いては (幾度も) 買うのかしら。それとも、そういう類の書物のなかで、もっと手っ取り早い法を探すために何冊も買うのかしら。しかし、いくら書物を読んでも、目的を実現するには、実際にやってみるしかないでしょう。実践して挫折して、そして工夫する──それをくり返すしかないのだから。そのやりかたが間違っていたと全面的に認めた時以外には、つねに最初に戻ってやり直すとか、やりかたに いつまでも拘泥するというのは悧巧じゃないでしょう。
Fear という感情は、たいがい、漠然とした物事に対する不安から生まれるのでしょう。そうだとしたら、不安を生じている物事を具体的な状態に置けばいいだけです。つまり、具体的にするための手続きを列挙すればいい。はっきりした形にして、凝視すればいい。そうすれば、その手続き通りに 「やるか、やらないか」 (そして、手続き上考慮していなかった事象が起こった時の対応) だけが問題となるでしょう。そして、いったん着手したら、「果報は寝て待て」、睡眠を充分にとって、思考力を鈍らせない様にすればいい。私は、ここ 3年間ほど、夜勤が多くて、生活が不規則になってしまい、思考力が良い状態にあるとは言えない状態です (苦笑)。規則正しい生活 (と快眠) を心掛けたいのですが、そうはいかないのが実態です。それでも、私は、引きずって仕事をしながらも、悲観はしたくない。
(2015年 6月 4日)