Bloomsbury Thematic Dictionary of Quotations セクション First Impressions のなかで、次の文が私を惹きました。
First impressions are the most lasting.
Proverb
First feelings are alwats the most natural.
Louis XIV (1638 - 1715) French king.
Repeated by Mme de Sevigne
私は他人との つきあい において、第一印象の 「直感」 を大切にしています。そういう態度は独断と非難されるかもしれないのですが、今まで ほとんど その直感は外れたことがない──私が対面している人が清潔感のある身なりをして笑顔で応対してくれていても、「波長があわない」 ときには、その後の つきあい でも うまくいかないし、やや常識外れな人でも 「波長があう」 ときには、うまくいくことが多い。第一印象の よかった (「波長があう」) 人が その後の つきあい で波長が噛みあわなくなったことはあるけれど、第一印象の悪かった (「波長があわない」) 人が その後に うまく いくようになったことはない。勿論、このことは、私と 「波長が あう/ あわない」 ということであって、その人物の品評 (善し悪しという評価) に係わることではない。
たとえ第一印象を良くしようと取り繕っても──普段の生活のなかで更々やっていないのに、一時的に取り繕って笑顔で挨拶するとか清潔感のある身なりを整えるとしても──、相手と話しながら相手の行為を観れば、本性 (true color) が垣間見える。我々は相手を 「総体的」 に観ているし、我々は30才をこえれば、身についた価値観を、それを変えるような劇的な出来事を体験しない限り、そうそう変えることはできないでしょう。
我々は、相手の行為を観て、相手の生地を 「直観」 で瞬時に捉えている──判断・推量は、その後にくる [ それが ロジック (判断・推量) というもの-の性質でしょう ]。逆にいえば、ロジック に先行する 「直感」 が我々の ものの見かたを制約束縛しているとも言えるでしょう。そして、勿論、「直感」 を形成している基盤たる諸々の体験・知識は、年齢を重ねるにつれて変わってくるので──新たな知識が獲得され、新知識が以前の知識系 (Frame of Reference) を変質するので──、「直感」 も不変である訳ではない。しかし、私は 「here and now (現時点)」 の直感を大切にしたい。それが自分 (の歩んできた人生) に信を置くということではないか。
(2017年 8月15日)