Bloomsbury Thematic Dictionary of Quotations セクション Generalizations のなかで、次の文が私を惹きました。
To genralize is to be an idiot.
William Blake (1757-1827) British poet.
Life of Blake (Gilchrist)
Any general statement is like a cheque drawn
on a bank. Its value depends on what is there
to meet it.
Ezra Pound (1885-1972) US poet.
ABC of Reading Ch. 2
Bloomsbury Thematic Dictionary of Quotations セクション Generalizations の quotations が 3篇しか記載されていなかったのは意外でした──generalizations に関しては、多数の quotations が記載されていると思っていたのですが、、、。そのうちの 1つは標題に記載して、他の 2つは本 エッセー の引用文として記載しました。
私が敬愛している ウィトゲンシュタイン 氏・小林秀雄氏は、(「法則」「公式」を敬遠して、) 個々の 「事実」 を重視しています──ウィトゲンシュタイン 氏は 「考えるな、観よ」 と忠言し、小林秀雄氏は 「美しい花がある、花の美しさというものはない」 と指摘して、汎化することの危険性を警告しています。小林秀雄氏曰く、──
普遍性とはまた特殊の絶対的信用以外の何物でもない。芸術上
の現実主義とは、心の中にあると外にあるとを問わず、特殊風景
に対する現実主義以外のものを指さぬ。
(「アシル と亀の子 W」)
私は彼らから多大な影響をうけていることを認めます。そして、私の仕事上 (事業分析・データ 設計のための モデル を作成すること) でも、モデル 技術は 「規則」 として立てることができても、その技術の対象 (しかじかの企業のかくかくの事業) は 勿論 同じものは毛頭存しないし、その結果たる [ 現実的事態を形式的 (すなわち論理的) に写像する ] モデル 図も 当然 同じものは無いことは、この仕事に就いてから 30年のあいだ 常に体験してきています。
現象を記述するための 「規則 (文法)」 は存する──我々の使う言語を考れば そのことはわかるでしょう。しかし、その言語が記述する対象のなかに 「法則」 はない。私が思考技術を学んだ ギットン 氏曰く──
思考には骨組みとなるような体系が必要であるが、しかし人間
が存在の体系と等しくなることは、おそらく不可能であって、
真の救いは体系よりも方法を選ぶことであろう。
(「読書・思索・文章」)
パターン (型) の限界は、ここにある──パターン は典型例の象嵌であって、それぞれの対象の個性を記述するものではない。たぶん、我々は初めて物事を認知するときには、パターン 的認知をしているのでしょう。しかし、対象にしばらく向きあえば、その対象について詳細な観察をおこなって [ 詳細な情報を集めて ]、その対象を個性的に判断する。同値類 [ 集合 ] としての性質 [ 構成条件 ] と、その集合を構成している メンバー の性質 [ 構成条件 ] を混同してはいけない。
(2018年 2月15日)