Bloomsbury Thematic Dictionary of Quotations セクション Grammar のなかで、次の文が私を惹きました。
Grammar, which can govern even kings.
Moliere (Jean Baptiste Poquelin; 1622-73) French dramatist.
Les Femmes savantes, U:6
「文法」 は、言語の公共性を構成している ふたつの条件の一つでしょう──もう一つは 「語彙」 でしょうね。私は言語学者ではないので、「語彙と文法」 を論じるつもりはないし、論じることもできない。ただ、モデル (事業分析、データ 設計のための モデル 技術) を専門にしている職業柄、数学基礎論を学んでいるので、その視点から 「文法」 を 「規則」 としてみなせば、どんな天才の数学者でも論理規則を破ることはできない。前提となる公理 (仮定) を選ぶのは自由ですが、公理系を作る論理規則は どんな天才でも破ることはできない (従わなければならない)── ゲーデル 氏のような天才が使う AND とか OR とか NOT は、私のような シロート が使う それらと同じ使いかたです。論理定項は、誰にとっても論理定項です。そして、推論規則 (たとえば、仮言三段論法) は、誰にとっても推論規則です。それが論理の公共性を成している。なんぴとたりとも この規則を破ることはできない。
(2018年 4月15日)