Bloomsbury Thematic Dictionary of Quotations セクション Hope の中で、次の文が私を惹きました。
It is a long lane that has no turning.
Proverb
For hope is but the dream of those that wake.
Matthew Prior (1664-1721) British poet.
Solomon, U
The miserable have no other medicine
But only hope.
William Shakespeare (1564-1616) English dramatist.
Measure for Measure, V:1
Hope の意味は、英英辞書 (Pocket Oxford Dictionary) によれば、名詞形なら a feeling of expectation and desire for something to happen、動詞形なら expect and want something to happen とか intend if possible to do something です。しかし、私には、hope と wish の違い (それらの使い分け) が わからない──英語が母国語でないので、それはしかたがないことか、、、。Wish は仮定法の文に用いられるが、hope には仮定の文には用いないというくらいしか わからない。そうであれば、見込みのない不可能なことを我々は hope しないということかもしれない。だから、Hope には dream に近い意味 [ think of as possible (「ひょっとして」 というくらいの低い確率)] があるけれど、その希望には可能性がない訳ではない (It's not probable, but it's possible)。以上のように考えれば、上記三つの引用文が述べていることは合点が行く。
さて、特に引用文の三番目について考えてみれば、miserable な人々──gloomy、depressed で very unhappy な人々──にとっては hope は唯一の薬だ、と。しかしながら、前途に hope が見出せなくなったら、、、。
「生きるとは、夢みることだ。賢明であるとは、・・・こころよく夢みることだ」(シラー、詩人)。そうだとすれば、逆説に響くかもしれないのですが、幸福な人々の不幸は、生活に満ち足りて夢を喪うことであり、不幸な人々の幸福とは夢を持ち続けることでしょうね。あるいは、こう言ってもいいかもしれない──我々は、いつも これから幸せになるのだ、と [ それが hope を持つということでしょうね ]。キーツ 氏 (詩人) は次のように言っています。
人生は バラ の花の希望だ、ただし咲かない間だけの。
そうなのかもしれない──もし死ぬまで希望を抱き続けられたならば。が、私自身は死ぬ 1秒前に悔恨の、一筋の涙を流すかもしれない、、、堪えきれず、最期の最後で (希望が瓦解する瞬間で)。凝視したくない事態を希望という砂糖で塗り固めて、自分自身に対して嘘をついて来たことを。
(2018年12月15日)