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If we had more time for discussion we should probably have made a great many more mistakes.
(Leon Trotsky)

 

 Bloomsbury Thematic Dictionary of Quotations セクション Mistakes の中で、次の文が私を惹きました。

    The man who makes no mistakes does not
    usually make anything.

    Edward John Phelps (1822-1900) US lawyer and diplomat.
    Speech, Mansion House, London, 24 Jan 1899

 
    A man should never be ashamed to own he
    has been in the wrong, which is but saying,
    in other words, that he is wiser to-day than
    he was yesterday.

    Alexander Pope (1688-1744) British poet.
    Thoughts on Various Subjects

 
    The follies which a man regrets the most in
    his life, are those which he didn't commit
    when he had the opportunity.

    Helen Rowland (1876-1950) US writer.
    Guide to Men

 
 引用文のそれぞれの日本語訳、1番目は 「ミスをしない人は、ふつう 何事も為し得ない」、2番目は 「かつて自分が誤っていたことを認めることは決して恥ではない、それは言い替えれば単に次のように言える、過去の自分よりも今日の自分が賢いということである」、3番目は 「人生において最も後悔する愚行は、機会(好機)があるときに取り組まなかった(コミットしなかった)ことである」。引用文のいずれも、われわれが 50歳をすぎれば、痛感することではないか。

 私の今までの生活を振り返って、大学生・大学院生のときから 30歳になるまでの人生は混沌たる人生だった。多くの人たちにとって、青年期というのは、疾風怒濤 (シュトゥルム・ウント・ドラング) の時代であって、それぞれの人がそれぞれの生活のなかで悩んで足掻 (あが) いているのではないかしら。私は、この時期を封印しています──個人事なので 勿論 公にするつもりなどないけれど、思い起こしたくもない。この エッセー を綴るにあたって、どうしても その時期のことを思い起こすはめになったのですが、大学院生の頃に私は絶望的な ミス を 3つ犯しています (事の詳細をここで述べるつもりはないです)──その 3つの ミス が原因になって、私は大学院を去ることになった。これらの ミス は私のその後の人生を大きく変える起点になりました。当時、私は これらの ミス を大いに悔やみました。大学院を去って無職になって、1年後に外資系会計事務所に就職しましたが、仕事と人間関係が嫌で嫌で、その後 転職を 4回くり返して、その間に無職も 2回 経験しています。私は、当時の社会風習 (会社制度?) のなかで、完全に ドロップアウト (落伍者) と云われる位置に落ちました。本 ホームページ の いくつかの エッセー のなかで すでに綴っていて くり返しになるのが嫌なので簡単に述べると、私の人生が転回したのは、ビル・トッテン さんの会社に就職した 30歳すぎのときで、ビル さんのもとで働いたことが その後の私の人生を形成しました。

 ミス や ヘマ というのは、それを犯したときに、己れを どうしようもないほど アホ であると思い悔いるのですが、その後悔というのは一時点での後悔であって、その後の (将来の) 可能性を考えれば、後悔にとどまったままではいけないでしょう──なぜなら、時は間断なく流れているのだから。私は、70歳にならんとする今、それらの ミス や ヘマ を振り返ってみて、一時点の ミス や ヘマ は人生が終わってみなければ その 「意味」 (座標、位置付け) がわかるものではないということを感じています。ミス したならば、即 改善すればいいではないか。そして、70歳にならんとする今、もう一つ痛感しているのは、想像以上に人生は短いということです。勿論、時間は一定の間隔で進んでいるので、「人生は短い」 というのは あくまで主観的な速度なのですが、多くの人々 (特に年配者) は そう感じているのではないかしら。多くの人たちが 「人生を短い」 と嘆息しているのであれば、若い人たちはその言を肝に銘じて行動したほうがいいでしょう──すなわち、よそ見しないで やりたいことに全力を尽くす、と。私の記憶が曖昧なので正確な引用ができないのですが、私がかつて読んだ アンケート 調査 (80歳以上の人たちへの アンケート 調査) のなかで、「人生で一番後悔したこと」 という項目について、調査人数の 7割以上の人たちが次のように答えていました──「挑戦しなかったこと」。持続可能性とか不可逆的という ことば が SDG's 関連の書物のなかで多々目にしますが、持続可能性や不可逆的というのが文句なく (否でも応でも) あらわれるのが 「時 (時間)」 でしょうね。人生は、「短く、そして不可逆的」 なので、やりたくもないことに時間を浪費している暇なんてないでしょう。

 「お前の道を進め、他人には勝手な事を言わせておけ」(ダンテ)、そして 「ミス をしたら即 改善」 というのが生活のなかで行動指針の最上訓ではないか。

 
 (2022年12月15日)

 

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