皮肉的 （シニック） であることが、知的であると衒い、つねに、教訓めいた言をひけらかすのは、軽率であるに過ぎない。真摯であればあるほど、無口になるものである。
そして、真摯であれば、知ったかぶりをしないで、自信のあることしか語らない。当たり前のことを、当たり前の ことば で言う----その態度に秘められている強い意志を、われわれは、往々にして、見落としてしまうが、、、。だが、そういう真摯な態度には、つねに、悲しみが漂う。その悲しみは、悟りに成り切れなかった一片の 「自負心」 に対する自嘲であるのかもしれない。そして、それが、本来、皮肉的 （シニック） ということである。
（2005年 9月 8日）