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Give the devil his due.

 

 私は、英語の quotations を収録した書物を読むのが好きだ。そういう書物を読んで思うのは、かれらが遺した アフォリズム に対して、新たに記すべき創意が私にはないということである。

 もし、人生の 「意味」 を知ることが人生を過ごすことであるのならば、それは、すでに、書物に記されているのであって、われわれ凡人が生きる意味などないし、もし、書物のなかに記されていることを検証するのが私の人生ならば、なんと、無意味な人生ではないか。

 人類の歴史という書物のなかに新たな 1ページを書き込める人物は天才のみであって、われわれ凡人は、その天才を生むための土壌に過ぎないのか。

 人生には 「意味」 などないのかもしれない。いな、人生には 「意味」 などないと思ったほうが 「豊かな」 人生を送ることができるのかもしれない。
 もし、「幸福」 という語彙が私たちの言語になかったとしたら、私たちは不幸なのだろうか。

 ラッセル (Bertrand Russell) は、以下の文を記した(参考)

    Real life, to most men, a long second-best, a perpetual compromise
    between the ideal and the possible.

 
(参考) Bertrand Russell, "Study of Mathematics".

 
 (2006年 8月23日)


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