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...keep away from the worship of idols. (1 Corinthians 10-14) |
僕等の教養を宰領しているものは言うまでもなく科学だ。
この文を読んで、私は Internet 上で かつて読んだ ジョーク を思い出しました──私は ジョーク 集を読むのが好きで、気に入った ジョーク は タブレット の メモ 帳にひかえていて、それらを 私の Facebook アカウント に アップロード しています。
A businessman dragged himself home and barely made it to
小林秀雄氏は湯川秀樹氏や岡潔氏と対談するほどの知力の持ち主です。その彼が 「科学知識の普及が肉体的努力を軽減するとともに知的努力を節約させてくれるのはいいが、そういう事は、いつも人間的才能を機械的才能に代置するという危険な作業のうちに行われている」 というふうに指摘して、「僕等の受けた学校の科学教育を省みても、専ら人間が自然に直接に質問を発する能力を鈍化させる術 (すべ) を教えて貰って来た様なものだ」 と嘆いています。この後半の指摘については、私も自らの学校教育 (中学校、高校) を振り返って同感します。しかし、これは教師の教えかた (および指導要綱) の論点であって、たとえそういう教育をうけた生徒であっても、大人になってから物事に対して常に 「なんで?」 と質問・疑問を発する人たちを私は見てきました (いっしょに仕事をしたことがある)。したがって、この論点は、本人の自覚の問題ではないかしら。
公式や定理を多く覚えていることが豊富な科学知識を持っていると思い違いしている人たち (専門家は除く一般の人々) に対して、「自然に直接に質問を発する能力」 を養うことが大切だといくら説得しても聞きやしないでしょうね。寧ろ彼らは次のように反論するでしょう──「以前に証明された事は前提 [ 公式・定理 ] として、『以上のようにして』 という事から新たな一歩がはじまる」 と。しかし、その新たな一歩を彼らは自らの頭で考えているのか [ 考えられる訳がない、専門家ではないのだから ]。そして、理系の学生であっても科学技術を使う職に就かなければ、科学技術を自らの頭で考えるということをしないでしょう。
私は文系の学生でした。しかし、システム・エンジニア の職に就いて、「(事業分析・データ 設計のための) モデル 論」 を専門にしたがために、いわゆる 「数学基礎論」 を学習しなければならなかった。高校三年生以後、正規の数学を学習してこなかった文系の私が 40才代に改めて 「数学基礎論」 を学習しなければならなかった。嫌いだった数学を学習していて、しかし辛いと思ったことはない──寧ろ、数学の学習を面白いと感じています。数学を正規に学習してこなかった私が数学の書物を読んでも、当初わけがわからなかったけれど、学習が辛いと感じたことはなかった。その学習の成果が、拙著 「論理 データベース 論考」「モデル への いざない」 です。そして、今 (64才) となっては、それら 2冊の拙作に不満を覚えています。
私が学校教育で教わった数学を苦手としていて大嫌いになったにもかかわらず、大人になって、数学を学習して愉しかったのは、たぶん、「基礎から」 学習し直さなければならなかったからでしょうね。理系の学生であれば 「こんなことは当然知っていなければならない」 というようなことも私は学習しなければならなった。随分と回り道を歩きました。しかし、それがために私は基本から納得いくようなぐあいで学習を進めることができました。この点に関しては、小林秀雄氏の意見 (「自然に直接に質問を発する」 こと) に賛同します。しかし、私が数学を学習したのは、仕事で使わざるを得なかったからです。もし、私がそういう仕事をしていなかったら、生涯、数学は公式を丸暗記する学科だと思っていたでしょうwww。
仕事で科学技術を使わない人たちにとって、小林秀雄氏の意見は高望みだと思います。そして、もし、そういう人たちが自ら 「人間的才能を機械的才能に代置」 されているという危惧を抱いているならば、きっと 「自然に直接に質問を発する」 ように頑張るでしょう。しかし、そういう危惧を抱いていない人たち (すなわち、大多数の人たち) にとって、小林秀雄氏の意見は寧ろ 「余計な御世話」 でしょうね──それは小林秀雄氏もわかっていると思いますが。小林秀雄氏が常に嫌っているのは、文芸批評家が公式を──小林秀雄氏のことばを借りれば 「その辺に落ちている定規」 を──無暗に [ 文芸作品に対して一律に ] 振り回す安直な態度です。小林秀雄氏の この非難は初期の文芸論 (「小林秀雄初期文芸論集」、岩波 クラシックス 32) から一貫しています。
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