2005年 4月16日 |
基準編-2 「T字形 ER手法」 の体系 |
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2010年 3月16日 補遺 |
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「黒本」 では、対照表と対応表が、「5つの技法」 のなかで扱われているが、整合的ではない。対照表および対応表は、生成規則のなかで導出される概念であって、単独の技術ではない。したがって、対照表および対応表を、「5つの技法」 のなかで扱うのは、間違いである。 また、「拡張技法」 として、「みなし」 entity と 「turbo-file」 の 2つを記述しているが、(たしかに、2つとも、技法ではあるが、) 「みなし」 entity は、意味論的観点に立って、entity を再認知する──新たに (改めて)、認知する──ので、意味論的には、認知番号 (identifier) に対して、同列として扱わなければならない──「みなし」 entity は、拡張技法でもなければ、例外的措置でもない。意味論 (指示関係) は、構文論 (生成規則) に対して、拡張技法でもなければ、例外的措置でもない。 T字形 ER手法は、いま、以下の体系として整えてある。 (1)
データ
の認知 (entity
を認知するための規準として、認知番号を使う。) (1)
から (5)
までは、意味論的前提 (認知番号を付与された個体 [
entity ]、「event」
と 「resource」)
に立った構文論 (関係の生成規則、周延、多義の排除)
を論点にしているので、「TM
の体系」と云う。 「みなし」 概念は、コード 体系が記述していない対象を、「内包 (性質)」 を前提にして、改めて認知して、外延を作るので、「TM の体系」 に比べて、指示関係が、いっそう、強く適用されていて──事実的な 「F-真」 と、導出的な 「L-真」 が、いっそう、強く適用されていて──、「TM の体系」 と切り離している。「TM の体系」 に対して、(6) の 「みなし」 概念を加味した系を、「TM’ の体系」 と云う。つまり、(1) から (6) までの体系を、「TM’ の体系」 と云う。したがって、T字形 ER手法というふうに、ふだん、云われているのは、「TM’ の体系」 である。ただ、「みなし」 entity と クラス 概念を的確に使うためには、そうとうな力量がいるし、それらを下手に使えば、恣意性が混入するので、T字形 ER手法は、「TM の体系」 として使うことも多い。 T字形
ER手法を、(「黒本」
のなかに記述してあるような) 「5つの技法と
4つの
ルール」
というふうに説明することは、いまとなっては、もう、間違いである。もし、そういう言いかたをしている人たちがいれば、訂正していただきたい。 「T字形 ER手法」は、「ビジネス 解析手法」である。 「データ 設計技法」ではない。 それを正確に記述するなら、「T字形 ER手法は、(コード 体系を前提にして、) データ 正規形を作って、データ 正規形を基礎資料にして、事業の管理過程を逆解析する技法である」 としたほうが良い。基礎資料という意味は、ほかの資料として、アトリビュート・リスト や 「リレーションシップ の検証表」 などがあるから。 □
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[ 補遺 ] (2010年 3月16日) T字形 ER手法を改良した モデル が TM (および TM’) です。TM (および TM’) という言いかたを はじめて公にした拙著が 「赤本 (データベース 設計論)」 (2005年出版) です。「赤本」 の前に 「論考 (論理 データベース 論考)」 を出版していましたが (2000年出版)、「論考」 は、以下の 2点を検討した著作であって、「意味論」 を いまだ詳細に検討していなかった。 (1)
構文論の観点で、数学基礎論の技術を確認する。 「意味の対応説」
および 「意味の使用説」 については、本 ホームページ の他の ページ
で詳細に記述していますので、それらを参考にしていただき、ここでは割愛します。 「赤本」 は、「論考」 で検討できなかった 「意味論」 を検討した著作です。「赤本」 において 「真」 という概念を導入しました。そして、T字形 ER手法の体系を見直しました。見直した体系が本 エッセー で記述した体系です。T字形 ER手法の体系を見直した [ 改訂した ] ので、モデル の名称をT字形 ER手法から TM (および TM’) へ変更しました。 ちなみに、TM という言いかたについて、「『T字形 メソッド』 の略称ですか」 と問われることが多いのですが、T字形とは全然関係のない言いかたです。というのは、「チューリング・マシーン」──数学基礎論では、TM と略称されることが多い──を捩 (もじ) って付けたので。データ を構成するときに、「チューリング・マシーン」 のように、関数的な文法を使うことができることを示すために、「チューリング・マシーン」 を捩った次第です。 「赤本」 で提示した体系は、その後も検討を続けて、現時点では、以下のように変更されています──体系そのものは変わっていないのですが、それぞれの技術 (文法) を明確にするために変更しました。 (1)
個体の認知 (個体指定子) 以上が
TM
の体系です。 (1)
みなし entity 「みなし」 概念は、クラス 概念と同値であると考えていただいていい。ただし、「概念的 スーパーセット」 は、「概念的」 という言いかたをしているように、T之字の右側 (すなわち、「性質」) を記述しないという点で、数学的な クラス 概念を そのまま適用している訳ではない点に注意してください。TM’ は、現時点では、第一階の述語のみを対象にしています──言い換えれば、「実 データ と その集合」 のみを対象にしています。 ちなみに、数学 (あるいは ロジック) では、構文論の体系を 「緩やかに (弱く)」 適用する場合に、その体系に対して 「’」 (プライム あるいは ダッシュ と発音します) を付与するのが普通なので──たとえば、ML に対して ML’ とか──、その慣例に従って、構文論的な TM に対して、意味論を強く適用した体系を TM’ とした次第です。 TM (および TM’) の中核になっている概念・技術は、以下のように まとめてもいいでしょう。 { 個体指定子、関数 (全順序と半順序)、切断、多値、L-真と F-真 }. |
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