2005年11月16日 |
基準編-16 「T字形 ER図」 の作成手順 |
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2010年10月16日 補遺 |
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(1)
情報-仕訳法
(参考) 「黒本」
では、語い-転記法しか述べていない。 43ページ
の図 「作成手順」 は、読み返してみて、上手に まとめている、と思う──自画自賛です
(笑)。 語い-転記法は、「データ 項目の意味を (或る程度) 知っている」 人たち向け──すなわち、自社の DA 向け──のやりかたであって、ソフトウェアハウス の DA が使うには、データ 項目 (の意味) を初見で理解しなければならないので、難しいかもしれない。初見であっても、データ 項目の意味を、文脈のなかで判断しやすいようにした やりかた が、情報-仕訳法である。 情報-仕訳法 と 語い-転記法を使用比率で対比してみれば、──正確な統計を取っていないので、推測で言うのは危険なのだが──、たぶん、情報-仕訳法が 3割くらいで、語い-転記法が 7割くらいではないか、と推測される。私は、最近 (2000年以後)、(語い-転記法ではなくて、) 情報-仕訳法を指導している。その理由は、作成が簡単である (効率的である) から。そして、情報-仕訳法を最初に学習しても、(自社の DA あるいは エンドユーザ であれば、データ 項目の意味を知っているので、個々の データ 項目を対象にした) 語い-転記法のほうに、次第に、そして、自然に移っていきます。 情報-仕訳法であれ、語い-転記法であれ、最終 アウトプット は、当然ながら、同じです。
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[ 補遺 ] (2010年10月16日) 「T字形
ER手法」
を 「TM」
に変えて以後 [
2005年以後
]、「TM」
の技術を説明する際に、私は (本 エッセー のなかで述べている)
「情報-仕訳法」
しか説明しないようになりました。というのは、「情報-仕訳法」
のほうが、entity
生成の技術を説明しやすいので。ちなみに、「情報-仕訳法」
では、「(語彙の) 仕訳」 および 「(語彙の) 元帳への転記」
という用語を使っていて、「元帳」──すなわち、個体指定子ごとに語彙を分類記載した帳簿──を
entity
というふうに説明しています。 「黒本」 基準編-16 の記述のなかで私が後悔している点は、entity を 「event と resource」 という それぞれの クラス に分類するときに、「『...する』 という動詞を使えばいい」 というふうに説明した点です。というのは、「黒本」 の出版後、2 チャンネル で、「T字形 ER手法」 の非難が書き込まれたそうで、「...する」 という動詞形の判断は、「T字形 ER手法の独自な やりかた ではなくて、動詞形・名詞形を使う やりかた は昔からあった」 という書き込みがあるそうです。私は、「『...する』 という動詞形を使えばいい」 というふうに綴ったときに、entity の分類規準にするなどと (あるいは、「event」 の定義にするなどと) 重々しく考えていたのはなくて、せいぜい、簡便法として使えばいいとしか思っていなかったし──基準編-16 のなかでも、「簡便法」 だと綴っていますし──、「time-stamp」 が 「event」 の特徴点であることを明らかにしています。そういう非難をしたひとは、たぶん、基準編-16 を実際に読んでいないのではないかしら。 たとえば、以下の entity を考えてみます。 { 分類 コード、分類名称 }. この entity (「分類」) は、たとえ、「...する」 という動詞形を付与して単語として意味が通じても──すなわち、「分類する」 という単語として考えても──、「event」 ではなくて 「resource」 です。なぜなら、「日付 (たとえば、分類日)」 が存在しないので。言い換えれば、「分類する」 という行為・出来事ではない、ということ。「...する」 という動詞形は、あくまで 「簡便法」 であって正式な定義ではない。逆に言えば、動詞形・名詞形などということを論点にしているような やりかた は怪しい、ということ──「動詞形・名詞形という やりかた は昔からあった」 と 2 チャンネル に書き込んだひとは、いったい、どういう やりかた を参考にしていたのかしら。 「T字形 ER手法」 (および、TM) では、「event」 であるどうかを判断するために 「日付」 の帰属性を問うことにしているのですが、2 チャンネル で、それに対しても非難が書き込まれたそうです (笑、そして苦笑)──「すべての データ には日付が付与される」 という非難だそうですが、「データ に付与される日付は、データ の登録日・更新日 [ IRM 上の日付 ] 」 であって、事業過程で起こった経済行為の日付 [ 取引日 ] ではないことぐらいわかるでしょうに。2 チャンネル に批評を書き込んでいる人たちは、批評対象を ちゃんと調べないで批評したがる族のようですね。 本 エッセー のなかで 「作成手順」 を上手にまとめていると自画自賛していますが、今の時点から振り返って観れば、その まとめ は、とても拙い (苦笑)。「作成手順」 は、現時点 (2010年10月) で──今後、更なる改良を施すかもしれないのですが──、以下の 5つの ワークフロー として整えられています。 (1)
個体(entity)を構成する。 (1) から (4) は、「構文論」 の考慮点で、(5) は 「意味論」 の考慮点です。 |
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