2006416

応用編-6 リレーションシップ (binary N-ary

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2011316日 補遺

 



 本節では、リレーションシップ の形態として、以下を記述している。

  (12項関係 (binary
  (2n-項関係 (n-ary, tuple

 コッド 関係 モデル では、n-項関係 (多項関係) が使われるが、TM (T字形 ER手法) では、2項関係を使う。TM 2項関係を使う理由は、意味論上、対照表の 「意味」 を問うためである。

 そのこと (2項関係のなかで、対照表の 「意味」 を問うこと) を示すために、本節では、具体例として、{営業所、部、課、従業員} の構成 (組織構成と配属) を使っているが、適切ではなかったと思う。この例が適切でないことを感じたので、本書 (「黒本」) 以後に出版した拙著 (「論考」 および 「赤本」) では、(2項関係を導入した理由として、) {生地、サイズ、カラー} の構成を使うように修正した。

 {生地、サイズ、カラー} の例は、本書でも、示されている (60ページ - 63ページ) が、「null の消去」 として示されている。60ページ では、以下の構成が示されている。

  {生地 コード、・・・} [ R ].

  {サイズ・コード、・・・} [ R ].

  {生地 コード (R)、サイズ・コード (R)[ 対照表、「裁断」 を指示する ]

  {カラー・コード、・・・} [ R ]

  {生地 コード (R)、サイズ・コード (R)、カラーコード (R)[ 対照表、「洗い」 を指示する ]

 
 この例を示したのであれば、本節で、それに対応して、以下の構成を示すべきだった。

  {生地 コード、・・・} [ R ].

  {カラー・コード、・・・} [ R ].

  {生地 コード (R)、カラー・コード (R)[ 対照表、「洗い」 を指示する ]

  {サイズ・コード、・・・} [ R ]

  {生地 コード (R)、カラー・コード (R)、サイズ・コード (R)[ 対照表、「裁断」 を指示する ]

 
 すなわち、「resource」 の n-項関係のなかでは、2項関係の組順を変えれば、事業過程を再編成できる。 同じ項を使っても、組次第では──{(サイズ・コード、生地 コード)、カラー・コード} と {サイズ・コード、(生地 コード、カラー・コード)} では──、「意味」 がちがうのである。

 TM (T字形 ER手法) は、データ 構造を設計しながら、同時に、事業過程を逆解析する──データ 構造と現実的事態との指示を確認する──ことを目的としている。すなわち、セマシオロジー (「形式から意味を問う」) の観点に立っている──ただし、言語学の云う セマシオロジー は、「意味の歴史的変化」 も考究するが、TM は (履歴 データ がないかぎり、) それを対象外としている。 □

 



[ 補遺 ] 2011316日)

 取り立てて補足説明はいらないでしょう。
 数学では、関数上、ひとつの n-項関係は いくつかの 2項関係にわけることができます。







 

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