2007年 1月 1日 |
応用編-25、応用編-26 T字形 ER図の レビュー 手順 |
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2011年12月 1日 補遺 |
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TM (T字形 ER手法) は、以下の手順で作成される。 (1)
Tentative
Modeling (構文論主体) すなわち、まず、TM の文法 (生成規則) に従って 「構造」 を作って、次に、意味論 (指示規則) の観点に立って、「構造」 を推敲する。 語-言語 (word-language) を使って記述された情報に対して、TM の文法を適用して 「構造」 を作れば、だれが 「構造」 を作成しても、ほぼ、同じ 「構造」 になる。しかし、その 「構造」 が、構文論的に妥当であっても、かならずしも、現実の事業を 「正確に」 に記述している訳ではない。たとえば、その ズレ を典型的に示す事態として、電話番号を考えてみる。 TM の文法に従えば、電話番号は、認知番号を付与されている対象 (entity) として判断され、たとえば、「顧客」 との関係を考えれば、以下のような 「構造」 になる。
┌─────────────────┐ ┌─────────────────┐ │ 電 話 R│ │ 顧 客 R│ ├────────┬────────┤ ├────────┬────────┤ │電話番号 │ │ │顧客番号 │顧客名称 │ │ │ │>─○─┼┤ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ └────────┴────────┘ │ └────────┴────────┘ │ │ ┌────────┴────────┐ │ 電話. 顧客. 対照表 │ ├────────┬────────┤ │電話番号(R) │ │ │顧客番号(R) │ │ │ │ │ └────────┴────────┘ 構文論上、この 「構造」 は、妥当であるが、意味論上、以下の 2点を検討しなければならない。 (1)
「電話」 の性質として、どのような属性が考えられるのか。 (2)
「電話.
顧客.
対照表」
は、どのような event
を言及するのか。 したがって、上述した
「構造」 は、通信事業を営む企業体向けである。 とすれば、電話番号を独立した entity として認知しないで、以下のように、「顧客」 に帰属する性質として (意味論的に) 修正できる。 ┌─────────────────┐ │ 顧 客 R│ ├────────┬────────┤ │顧客番号 │顧客名称 │ │ │電話番号 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ └────────┴────────┘ この 「構造」 は、電話番号が 「顧客」 の性質として a must であることを示している。すなわち、すべての 「顧客」 は [ ∀x P (x) ] 、電話番号を かならず もっていなければならない。逆に言えば、電話番号をもっていないひとは、「顧客」 として定義されない。こういう 「構造」 は、たぶん、クレジット 系の企業体向けか 宅配を営む企業体向けである (一般の企業体向けではない)。 もし、「顧客」 が電話をもっていれば、なんらかの事態が起こったときに、連絡がしやすいくらいの意味で、電話番号を記録しているのなら--すなわち、電話番号が 「顧客」 の性質として、a must ではないなら--、意味論的に以下の 「構造」 にするのが真であろう。
┌─────────────────┐ ┌─────────────────┐ │ 顧 客 R│ │ 顧客. 電話 VE│ ├────────┬────────┤ ├────────┬────────┤ │顧客番号 │顧客名称 │ │顧客番号(R) │電話番号 │ │ │ ├┼───<│ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ └────────┴────────┘ └────────┴────────┘ さて、以下の 「構造」 を考えることもできる。すなわち、電話番号を 「顧客」 に帰属する性質として考えて、さらに、電話番号の値が null になる--電話をもっていないひともいる [ ∃x P (x) ]--事態を 「形式的 サブセット」 として記述している 「構造」 である。
┌─────────────────┐ │ 顧 客 R│ ├────────┬────────┤ │顧客番号 │ │ │ │ │ │ │ │ └────────┼────────┘ | × null (電話番号) | ┌───────────┴───────────┐ | | ┌────────┴────────┐ ┌────────┴────────┐ │ 顧客(電話所有者) │ │ 顧客(電話非所有者) │ ├────────┬────────┤ ├────────┬────────┤ │顧客番号 │顧客名称 │ │顧客番号 │顧客名称 │ │ │電話番号 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ └────────┴────────┘ └────────┴────────┘
電話番号に関して、サブセット
構造と VE 構造と対比して、意味のちがいを言えますか。 Semantic Proofread では、推敲の しかた として 「一般手続き (アルゴリズム)」 を示すことができない。前述したように、Tentative Modeling のなかで、文法どおりに作成された 「構造」 に対して、「意味」 を確認しながら、丁寧に推敲する しかた しかない。それは当然のことであって、もし、Semantic Proofread にも、なんらかの 「一般手続き」 が成立するのなら、「構造」 を自動的に作ることができるということになって、オートマトン が 「構造」 を作れば良いことになってしまう。 「黒本」 (応用編-25、応用編-26) で述べられている レビュー 手順は、あくまで、基本的な レビュー 項目を列挙しているにすぎない。「構造」 は、「個体と関係」 で作られるので、実地の レビュー では、構文論に従って作成された 「構造」 に対して、逐一、以下の点について確認します。 (1)
個体の認知 それらは、文法に従って作られた 「妥当な構造」 があれば、検討しやすい。 |
[ 補遺 ] (2011年12月 1日) 取り立てて補遺はいらないでしょう。 |
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