2007年 7月16日 |
特論-13 T字形 ER手法 (その 3) [ 限界 ] |
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2012年 6月16日 補遺 |
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TM (T字形 ER手法) は、当初、「論理哲学論考」 (ウィトゲンシュタイン 作) を底本にして作られた。そのために、TM の正規形 (標準形) として主選言標準形を採用した。単純に言い切れば、(2項関係のなかで、) 「真理値表」 を基本技術とした。そして、構造の作図法として、「個体と関係は同一 レベル にある」 という文法を採用した。 それらの前提に立って TM を作ったので、TM では、第二階の論理を記述することができない。言い換えれば、「関数の関数」 を記述することができない。その現象の典型的な例が、いわゆる 「HDR-DTL (one-header-many-details)」 である。たとえば、以下を例にして考えてみる。 (1)
ひとつの取引先から複数の受注がある。 (1) では、「取引先」 と 「受注」 とのあいだに、写像 (関数) を考えることができる。そして、(2) でも、「受注」 と 「商品」 のあいだで、写像 (関数) を考えることができる。さらに、(1) の 「受注」 と (2) の 「受注」 とのあいだで、「1-対-複数」 の関係 (写像) が成立する。 f g 商品 → 受注 → 取引先 a| f(a) ↑g(f(a)) └─────────┘
g ┌─────────────────┐ │ 受注 MA│ ├────────┬────────┤ │受注番号 │ │ │ │ │ │ │ │ └────────┼────────┘ | × 概念的スーパーセット ↓ ┌───────────┴───────────┐ ↓g(f(a)) |f(a) ┌────────┴────────┐ ┌────────┴────────┐ │ 受注HDR │ │ 受注DTL │ ├────────┬────────┤ ├────────┬────────┤ │受注番号 │受注日 │ │受注番号 │受注数 │ │取引先コード(R) │ ├┼───<│明細行番号 │ │ │ │ │ │商品番号(R) │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ │ └────────┴────────┘ └────────┴────────┘
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[ 補遺 ] (2012年 6月16日) 「HDR-DTL (one-header-many-details)」 は、多価関数の 「AND 関係」 です──数学的構造としては、ファンクター (関数の クラス) として説明することができるのですが、「意味論」 上で論点になるのが、多価関数の 「OR 関係」 と 「AND 関係」 です。「OR 関係」 は複数の一意関数の排他的選言として扱えば、一意関数の扱いとほとんど同じでいいのですが、「AND 関係」 はそうはいかない。この 「AND 関係」 を 「主題 (主語)+条件」 を前提にして、R ( (主題+条件), (主題+条件) ) という関係論理 [ R (a, b) ] の中で いかに扱えばいいのかという事が TM の最大の懸案でした。この点については、本 ホームページ で幾度も論じてきたので、「HDR-DTL」 あるいは 「多価関数 (多値関数)」 を キーワード にして本 ホームページ 内を loop-up してみて下さい。あるいは、拙著 「いざない」 の 238頁を読んで下さい。 |
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