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 「飢饉・災害・貧困・差別」 を扱った概説書を紹介します。

 



[ 読みかた ] (2007年11月 1日)

 私は、「飢饉・災害・貧困・差別」 を 「単独の」 テーマ として考究するために、ここに記載した書物を買った訳ではない。これらの テーマ は、どちらかと言えば、「世相史の伏線」 として読むために買った次第です。

 「飢饉・災害」 は、天災ですが、「貧困・差別」 は、天災ではない。そして、私は、「貧困・差別」 に対して--それを 「独立した テーマ」 にはしていませんが--、強い関心を抱いています。私の関心は、「『貧困・差別』 が、どうして生じるのか」 という原因・理由を分析することに向いているのではなくて、いかに奇妙に思われようとも、もっと、生々しい 「共感・同調」 に近いのです。この感情は、私が高校生の頃から芽生えていたようです。この感情は、「社会の底辺で生きている」 人たちに対する同情・憐憫ではなくて、「もっと、生々しい」 というふうに綴ったように、もし、いちぶの エリート たちと大多数の貧民という社会構成が生じたなら--そういう単純な構成など、現代日本の社会で、実際には、存在しないので、単なる空想にすぎないのですが--、私は、疑いもなく、喜び進んで、「その他多数 (貧民)」 のなかの一人になることを選ぶでしょうね。たとえ、もし、エリートに属する友人たちが私の腕をひっぱって、「しなくてもいい苦労をするな、君は、ここにとどまるべきだ」 と言っても、私は、かれらの手を振り払って、「堕ちていくでしょう」。そういうふうに綴れば、私が浪漫的・感傷的な気持ちに浸った苦労知らずな ヤツ のように思われるかもしれないのですが、そんな センチメンタル な思いなど、私には、さらさら、無くて、さきほど綴ったように、「もっと、生々しい」 所懐なのです。

 そして、この 「生々しい共感・同調」 が芽生えたのは、私が高校生の頃ですが、それ以前に--幼年の頃に--、私の祖母が私に その種子を植え込んだようです (ただし、祖母は貧乏だった訳ではなくて、寧ろ、「佐藤」 の本家に嫁いで、村では裕福なほうだった、と記憶しています)。祖母は--私が小学校三年生の頃に他界しました--、信心深い (信仰が厚い) ひとでした。私は、本家の長男だったので、いわゆる 「おばあちゃん子」 でした。昭和 20年代・30年代の日本社会では、「長男」 は、家督を継ぐことが当然とされていた時代でした。しかも、私が育った場所は、村だったので、「しきたり」 を重視した社会でした。そして、その時代の社会には、旧弊も依然として遺っていて、皮革類・肉類を扱う人たちを 「穢多 (江戸時代の賤民階級)」 として見下げた悪習も、いまだ、消え去ってはいなかったことを私は おぼろげに記憶しています。





 ▼ [ 飢饉・災害 ]

 ● 飢饉日本史、中島陽一郎 著、雄山閣 BOOKS 6

 ● 日本震災凶饉攷、権藤成卿 著、有明書房

 ● 安政東海大地震見聞録 地震道中記、宮負定雄 著、那智篤敬・宇井邦夫 校注、巌松堂出版

 ● 昭和災害史年表事典 (昭和 21年〜昭和 35年)、日外 アソシエーツ

 




 ▼ [ 貧困・差別 ]

 ● 日本貧困史、吉田久一 著、川島書店

 ● 増補 日本奴隷経済史、瀧川政次郎 著、名著普及会

 ● 大正/ 大阪/ スラム (もう ひとつの日本近代史)、杉原 薫・玉井金五 編、新評論

 ● 差別の諸相 (日本近代思想大系 22)、ひろたまさき、岩波書店

 


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