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  ● QUESTION   区分 コート゛ のなかに、「全体」 を意味する コート゛ がある。どうすればよいか。
  ▼ ANSWER   VE として扱えばよい。


 いわゆる 「自己自身をふくむ集合」 の例である。
 区分 コート゛ は部分集合を記述する コート゛ である
 したがって、区分 コート゛ は 「全体」 を記述するための コート゛ ではない。
 「全体」 を記述するための区分 コート゛ は VE を使って、サフ゛セット から隔離すればよい。

 
 「全体」 を記述するために区分 コート゛ を使うことは、「コート゛ 体系の乱れ」 である。
 「自己自身をふくむ集合」 として、以下を例示できる。

   (1) 動産不動産 コート゛ が認知番号として使われている。

   (2) 動産不動産区分 コート゛ が使われているが、以下のような中身である。
     (2)-1 値 「01」 は、「土地」 を意味する。
     (2)-2 値 「02」 は、「建物」 を意味する。
     (2)-3 値 「03」 は、「水道管」 を意味する。
     (値 「04」 以後は省略する。)

   (3) ただし、動産不動産区分 コート゛ の値 「00」 は、「動産不動産」 の全体を意味する。

  動産不動産 entity は、形式的には、以下のように記述される。

  {動産不動産 コート゛、名称、動産不動産区分 コート゛、...}.

  さて、動産不動産区分 コート゛ の値 「00」 は、「自己自身をふくむ集合」 である。
 すなわち、動産不動産 コート゛ (認知番号) と動産不動産区分 コート゛ の値 「00」 は、実質的に同じ対象を指示している。動産不動産区分 コート゛ (部分集合を記述するための コート゛) が、全体を記述するための コート゛ として使われていることは 「逆理」 である。

  したがって、動産不動産区分 コート゛ の値 「00」 を、区分 コート゛ として扱ってはならない。とすれば、以下に示すように、VE を使って、動産不動産区分 コート゛ の値 「00」 が全体を記述する コート゛ として機能するようにすればよい。

  {動産不動産 コート゛、名称、動産不動産区分 コート゛、...}.
  {動産不動産 コート゛ (R)、動産不動産区分 コート゛ (D)}.

 [ 参考 ]
 (R) は 「Re-used」 の意味であり、(D) は 「derivated」 の意味である。

  テ゛ータ 構造の記述のなかでは--T字形 ER図のなかでは--、テ゛ータ の値は 「明示的に (explicitly)」 記述されることはない (あるいは、記述してはいけない)。構造を表現するということは 「記号列」 を操作することであって、「記号の具体的な値」 を扱うことはしない。「記号の具体的な値」 は 「アトリヒ゛ュート・リスト」 のなかで記述される。したがって、前述の例のように、動産不動産区分 コート゛ が、(領域のなかを走る) 値によって、隔離して扱われるようなことがあれば、(テ゛ータ 構造のなかでは、区分 コート゛ が分離されていることを見て取ることができるが、) どのような値が分離されたのか、という点は、「アトリヒ゛ュート・リスト」 のなかに記述される。

 [ 参考 ]
 「アトリヒ゛ュート・リスト」 の記述のしかたについては、拙著「T字形ER テ゛ータヘ゛ース 設計技法」を参照されたい。

 <補筆>
 T字形 ER図のなかに コメント として文字を綴っている作図を、ときどき、観ることがあるが、T字形 ER図のなかには、コメント を綴らないのが原則である。なぜなら、T字形 ER図は、あくまで、記号列の構造を記述しているに過ぎないから。
 もし、コメント を附与したいなら、アトリヒ゛ュート・リスト (あるいは、entity の マトリックス)のなかに記述すべきである。




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