「event」 の定義規準である 「日付 (DATE)」 は、事象が起こった「過去の取引日」 のことをいう。
したがって、「有効日」 や 「適用日」 などの予定日は、T字形 ER手法がいう 「日付」 ではない。
それらは、名称とか数量のような テ゛ータ 項目と同じ性質として扱われる。
以下を例にする。
(1) 部品番号を認知番号にして、「部品」 entity がある。
(2) 部品に対して設計変更 (いわゆる「設変 (せっぺん)」) が起こる。
(3) 設計変更は事象として記録される--設計変更番号を認知番号にして、「設計変更」 entity がある。
以上を前提にすれば、以下のような テ゛ータ 構造になる。
[ 具体例(1)]
部品:
{部品番号、部品名称、適用日、...}. [ R ]
設計変更:
{設計変更番号、部品番号 (R)、設変日}. [ E ]
すなわち、「部品」 のなかの適用日は将来日として記述されていて、実際の設変が実施された日付は、「設計変更」 の 「設変日」 を使って記述される。
上述した「適用日」 の考えかたについては、「履歴 テ゛ータ の扱い」 (193ヘ゜ーシ゛) を参照されたい。
ただし、以下のような構造になれば、「適用日」 は 「日付」 となる(!)
[ 具体例(2)]
部品:
{部品番号、部品名称、...}. [ R ]
部品. 適用:
{部品番号 (R)、適用日}. [ VE ]
設計変更:
{設計変更番号、部品番号 (R)、設変日}. [ E ]
「部品. 適用」 のなかの適用日は実施された日付として扱われる。
したがって、「設計変更」 のなかの設変日は適用日よりも過去の日付となる (「設変 --> 適応」 の順序になる)。
[ 具体例(3)]
部品:
{部品番号、部品名称、...}. [ R ]
部品. 部品. 再帰:
{部品番号 (R)、部品番号 (R)、適用日}. [ 再帰 ]
--この再帰は、いわゆる「部品表」を記述する再帰ではなくて、設計変更の対象を記述する再帰である。
設計変更:
{設計変更番号、部品番号 (R)、設変日}. [ E ]
この適用日も 「event」 を生成する日付であるが、具体例 (2) の適用日と具体例 (3) の適用日では、「意味」 が微妙に違っている。具体例 (2) は、変更された部品の適用日であるが、具体例 (3) は、同じ部品の設計変更ではなくて、代替部品を使った変更である可能性が高い。