江戸時代 (全般、入門編) >> 目次 (テーマごと)



 江戸時代の歴史について、全般の概略を記述した入門書を記載します。

 


[ 読みかた ] (2007年 5月16日)

 江戸時代に関する文献は、膨大な量に及びます。しかも、一次資料 (原資料) のみに限っても、膨大な量が遺されています。文政時代以後 (庶民が 「文字」 を習得して) 庶民が記録した膨大な文献が遺されています。文政時代の頃までの古い時代 (300年くらい過去) に遡って、幕府 (為政組織) が作成した文書のほかに、庶民が遺した文書の膨大な量は、世界に類をみないのではないでしょうか。

 江戸時代を 「全体として観よう」 とすれば、それらの膨大な文書を前にして、どういう文書から読み始めればよいか戸惑うでしょうね。学習の正攻法として、まずは、全体を鳥瞰した入門書を読んで、全体の感じを掴むのが良いでしょうね。そして、かならず、「図解」 も読んで (眺めて) 下さい。というのは、われわれは、テレビ の時代劇を観て江戸時代の様を 「具体的に」 知っているつもりでいるのですが、時代劇は、往々にして、「劇」 としての ストーリー を優先して時代考証が怪しいので、まちがった情報を記憶している危険性が高い。
 「図解」 を読む (眺める) 愉しみは、かつて、「日本史 (通史の概説書)」 (111 ページ) に綴ったので参照して下さい。

 私は、庶民の世相・風俗を中核にして、江戸時代を調べています。

 「川柳」 に関する書物を本 ページ で記載していますが、「川柳」 という用語そのものは、明治時代に定着した語です。「川柳」 が江戸時代の特徴のように云われていますが、「川柳」 は、江戸時代 (初興) と明治時代 (再興) に盛んになって、われわれが、今、「川柳」 の形式 (五・七・五の文形式) としてなじんでいる 「川柳」 は明治時代の形式でしょうね。江戸時代では、まだ、「五・七・五の文形式」 が独立していたというよりも、川柳風狂句として、前句を省いた編修の色彩があるようです。江戸の柄井川柳が 「柳多留 (やなぎだる)」 (初編 1765年) で前句付の前句を省く編集法をとって、それから、しだいに、付け味よりも付句一句の作柄が鑑賞対象になったようです。柄井川柳は、「川柳」 の対象となる事象を 3つに分類して、「高番 (こうばん) [ 古事・時代事 ]」、「中番 (なかばん) [ 生活句 ]」、「末番 (すえばん) [ 恋句・世話事・売色・下女 ]」 としていました。「川柳」 は、寛政改革・天保改革で弾圧され、勧善懲悪などを詠むようになって、ほんらいの反骨精神・洒脱感を喪ってしまったようです。明治時代になって、「古川柳」 復古運動が興りました。私自身は、川柳を詠みませんが、それらを読むのが好きです。





 ▼ [ 江戸時代の通史 ]

 ● 江戸時代史 (上・下)、三上参次、講談社学術文庫

 ● 江戸時代、北島正元 著、岩波新書

 ● 江戸東京学事始め、小木新造、ちくま ライブラリー

 ● 江戸時代 「生活・文化」 総覧、西山松之助ほか、新人物往来社

 ● 江戸物語、細田隆善 著、ノンブル 社

 ● 江戸と江戸城 (家康入城まで)、鈴木理生、新人物往来社

 ● 江戸と城下町 (天正から明暦まで)、鈴木理生、新人物往来社

 ● 逆転の日本史 [ 江戸時代編 ]、洋泉社 MOOK

 ● 大江戸曼陀羅、朝日 ジャーナル 編、朝日新聞社

 ● 江戸の米屋 (江戸選書 7)、土肥鑑高 著、吉川弘文館

 ● 江戸あらかると、花咲一男 著、三樹書房
  [ この著作を読むには、ある程度の前提知識がいるので、中級編かもしれない。]

 ● 江戸時代 Everyday Life in TRADITIONAL JAPAN、Charles J. Dunn、TUTTLE

 




 ▼ [ 図解 ]

 ● 大江戸 ものしり図鑑、花咲一男 監修、主婦と生活社

 ● 浮世絵に見る 江戸の一日、佐藤要人・高橋雅夫 監修、藤原千恵子 編、河出書房新社

 ● 浮世絵に見る 江戸の暮らし、橋本澄子・高橋雅夫 編、河出書房新社

 ● 浮世絵に見る 江戸の子どもたち、くもん子ども研究所 編、小学館

 ● 江戸文化の粋 ぽちぶくろ、貴道裕子、里文出版

 ● 江戸古地図物語、南 和男・北島正元、毎日新聞社

 ● 江戸萬物事典 (絵で知る江戸時代)、高橋幹夫 著、芙蓉書房出版

 ● 江戸の暮らし図鑑 (道具で見る江戸時代)、高橋幹夫 著、芙蓉書房出版

 ● 図解で見る 江戸民俗史、市川正徳、けいせい出版

 ● 復元 江戸生活図鑑、笹間良彦 著、柏書房

 ● ヴィジュアル 百科 江戸事情 (全 6巻)、雄山閣出版

 ● シリーズ 「江戸」 博物館、高橋幹夫 著、芙蓉書房出版

 




 ▼ [ 川柳 ]

 ● 川柳江戸歳時記、花咲一男、岩波書店

 ● 川柳 江戸名物図絵、花咲一男、三樹書房

 ● 川柳・雑俳 江戸庶民の世界、鈴木勝忠 著、三樹書房

 


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