2021年 9月15日 「11.1.2 原始帰納的関数」 を読む >> 目次に もどる


 原始帰納的関数は、次の 3つの数学的技術を以て構成されています──

  (1) 始関数

  (2) 合成

  (3) 帰納法

 始関数は、次の 3つの関数のことを云います──

  (1)(自然数上の)「後続者」 関数 f (x) = x + 1.

  (2) 恒等関数 f (x1,・・・, xx) = a. (a は定数)

  (3) 関数 f (x1,・・・, xx) = xi. (1 ≦ i ≦ n)

 「後続者」 関数は、「ペアノ の公理」 を思い出してください。始関数は、「後続」 「定数」 および 「関数」 のことです。なお、「定数」 は、「関数」 の特殊形と思っていいでしょう。

 そして、始関数を出発点にして、いろいろな関数をつくるために次の 2つの手続きを定義します──

  (1) 合成関数 f (x1,・・・, xx) = g (h1 (x1,・・・, xx), ・・・, hm (x1,・・・, xx) ).

  (2) 帰納法 f (0) = q.

           f (y + 1) = h (y, f (y) ).

 合成とは いくつかの関数を合成することであり、合成関数は いくつかの関数を合成した結果の関数です。
 帰納法は、「スコーレム 関数」 を思い起こしてください

 始関数を使って、合成と帰納法を くり返して生成した関数を原始帰納的関数と云います。原始帰納的関数は計算可能関数です。なお、原始帰納的関数は、ゲーデル 氏が いわゆる 「不完全性定理」 を証明するときに初めて定義しました (40数個ほどの関数を示しています)。 □

 




  << もどる HOME すすむ >>
  目次にもどる