2001年 7月11日 作成 一覧表の作成 >> 目次 (テーマごと)
2006年 9月16日 補遺  


 TH さん、あなたが ノート を作成しながら、「羅針盤」 を使うようになったのを観て、僕は嬉しい。そこで、きょうは、「ノート の取りかた」 の コツ をもう一つ教えましょう。ノート は、きちんと整理された、読みやすい、後々まで使う ことができる ノート にすべきことは前述しましたが、「羅針盤」 を使えば、検索が効果的・効率的になることは確かですが、加えて、一覧表を作成すればよいでしょう。

 1つの物は、それ自体では、効果的ではあり得ない。他の物 (あるいは、全体) との関係のなかで、効果が判断されなければならない。とすれば、「全体と個」 の構造を鳥瞰するには、一覧表が最適です。物を一つずつ順々に並べて述べるやりかたに比べたら、一覧表は、全体の構造のなかで、個々の物が、どのような役割にあるのか--互いの関係を判断できるので--、ノート を再利用するのは役立つ。

 たとえば、英語の文法や (日本語の) 古文の文法や歴史の年表などを一覧表にすればいいでしょう。一覧表を作成するときの コツ は、(「ぎっしりと詰め込んだ空虚な」 一覧表にしないように) まず、 読んだ本の章ごとに一覧表を作成して、次に、それらの (複数の) 一覧表を、さらに、数少ない一覧表にまとめて、そういう手順を (めんどうですが) 何度か繰り返して--ゴツゴツ とした石を、何度も転がして、円やかな玉にするように--最終的に、一枚の (全体の) 一覧表を作成すればよいでしょう

 この一覧表は、自分で作らないと効果が薄い。「てっとり速く」 作った ノート に比べて、地味に、ゆ っくりとして、着実に作成した ノート のほうが、後々、参照するときには効率的・効果的である。

 作成した一覧表を眺めてい れば、個々の関係を見て取ることができるので、個々の関係が 「強引 (不自然)」 であれば、そこには 「論理の飛躍がある」 ということでしょうね。したがって、そう感じた点に関して、もっと、多くの資料を集めて解析をすれば、新たな問題点を感知して新たな改善点を考えることができるでしょう。□



[ 補遺 ] (2006年 9月16日)

 私は、みずからの専門外の学問領域を はじめて学習する際、かならず、以下の 2つを作成することにしています。

 (1) 年表
 (2) 一覧表

 これらを みずから作成しないときには、これらを記述した (専門的な) 書物を、かならず、読むことにしています。そうしなければ、みずからが学習しようとしている学問領域の 「範囲」 を定めることができないので、たとえ、学習しても、「下手な鉄砲も数打てば当たる (He who says much must be right sometimes)」 式の非効果的・非効率な学習に陥ってしまうから。そして、そうしなければ、なによりも、「構造の妥当性」 (体系の妥当性) や 「値の真理性」 (事例の的確さ) を検証することができないから。言い換えれば、或る 「範囲」 のなかで、「真」 とされている集合を確認することができないから。
 そして、学習が進むにつれて、当初の 「範囲」 を芋蔓式に拡張していけば良いでしょうね--「範囲」 を拡張している途上で、以前に 「真」 だと判断していた命題が訂正されることが起こるかもしれない。そういうふうに、学習を拡張する やりかた が、みずからの FOR (Frame of Reference) を拡張する法だと私は思っています。




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  佐藤正美の問わず語り