2001年 9月30日 作成 年間計画表の作りかた >> 目次 (テーマごと)
2006年12月 1日 補遺  



 TH さん、きょうは、年間計画表の作りかたについてお話しましょう。

 年末あるいは年始に、(生涯 計画表を参考にしながら) 一年間の計画を作成すればよいでしょう。
以下に、僕が作成した年間計画表を記載しておきますので、参考にしてください。計画の対象は、以下の 5つの領域にすればよいでしょう。

 (1) 哲学/数学 (あるいは、専門領域)
 (2) 歴史
 (3) 宗教
 (4) 英語
 (5) 芸術

 まず、それぞれの領域の大きな (年間) 目標を記述したほうがいいでしょう。そうすれば、なにをやらなければならないか、という点がはっきりするから。次に、「(年間の) 読書計画」 を、それぞれの領域ごとに作成します。そして、読書計画のなかに記載した書物を、「なにを (what)、いつ (when)」 読むのかを記述するために、「年間計画表」 の、それぞれの月の欄に転記 (割り振り) します。そして、実際に読破したら、「済」 のしるしを書き込めばよいでしょう。

 計画は、あくまで、実際の行為のための下書きです。だから、計画を作成するときに注意しなければならないことは、後々、行為をするために、「なにを、いつ」 やるか、という点が、(大まかでもいいから) 具体的になっていればよいのであって、見栄えのよい計画表づくりに夢中になってはいけない。生涯計画表も年間計画表も、日々、眺めるようにして、月度の始めに (月が変わるたびに)、見直すようにすればよいでしょう
 次回は、「月間実績表の作りかた」 について説明します。□



 ▼ 年間計画
 (1) 一ヶ月に 4冊を読む。
 (2) 坐禅と正座を習慣にする。
 (3) 運動と官足法を習慣にする。
 今年の研究 テーマ:

 (1) [ 数学・哲学 ] ヴィトゲンシュタイン を研究する (研究 ノート を作成する)。
 (2) [ 歴史 ] 明治・大正・昭和の新聞 (重要紙面) を読む。
         江戸時代の世相史を研究する。
 (3) [ 宗教 ] 「正法眼蔵」 を精読する(研究 ノート を作成する)。
 (4) [ 英語 ] 松本道弘氏の著作を資料にして和英辞典を編集する。
 (5) [ 芸術 ] 日本古典文学 (上代・中古) の代表作を読む (研究 ノート を作成する)。

 対象年 (2001年)
数学/哲学 歴史 宗教 英語 芸術/その他
1 ムーア/無限
  ベッカー/数学的
 /江戸事典
 /明治話題事典
 /日本歴史新聞
 正法眼蔵  新約聖書 岩波/徒然草
Keene/徒然草
2 ベッカー/数学的  /江戸事典
 /明治話題事典
 /日本歴史新聞
 正法眼蔵 新約聖書
松本/「タイム」
/DILBERT
 
 (以下、省略)
 ▼ 読書計画


 (1) 数学/哲学
  - 数学的思考 (オスカー・ベッカー、中村清 訳)
  - 現代真理論の系譜 (山岡謁郎)
  - 私の生活技術 (アンドレ・モーロワ、中山真彦 訳)
  - 無限:その哲学と数学 (A.W.ムーア、石村多門 訳)
  (以下、省略)

 (2) 歴史
   - 明治大正昭和の文化 (小田切秀雄)
   - 日本の百年 写真でみる風俗文化史 (毎日新聞社編)
   - 讀賣新聞から見た日本文化の 80年 (読売新聞社)
   - 新版日本史年表 (歴史学研究会編)
   - 新聞資料明治話題事典 (小野秀雄)
   - 考証 江戸事典 (南條範夫 編)

 (3) 宗教
   - 正法眼蔵 (道元 著、本山版縮刷)

 (4) 英語
  - 新約聖書 (新共同版)
   - 新共同訳聖書 コンコルダンス (聖書語句索引) (新教出版社)
   - 斬れる英語表現 プラス 425 (松本道弘)
  - 「タイム」 を読んで英語名人 (松本道弘)
  - THE DILBERT PRINCIPLE (Scott Adams, 小林薫 編訳)
  - ディルバート の リストラ 社会生き残り術 (Scott Adams, 足立恵子 訳)
  - NYAHH! NYAHH! Charlie Brown (Charles M. Schulz, 谷川俊太郎・徳重あけみ 共訳)
  (以下、省略)

 (5) 芸術
   - 世阿弥芸術論集 (田中裕 校注)
  - 徒然草 (新日本古典文学大系、久保田淳 校注、岩波書店)
  - よりぬき徒然草 (ドナルド・キーン 訳)/ESSAYS IN IDLENESS
   - 謡曲集 (3巻、伊藤正義、新潮日本古典集成)
  (以下、省略)

 



[ 補遺 ] (2006年12月 1日)

 具体的な計画表を示しているので、詳細な補遺は、取り立てて、いらないでしょう。
 この計画表は、以下の手順で作成されています。

 (1) 学習 テーマ をきめる。
 (2) 学習を進めるうえで、読みたい (あるいは、読まなければならない) 書物を一覧表示する。
 (3) それらの書物を (priority を考慮して、) 「いつ」 読めばいいか (月ごとに) 割り振っている。

 「なにを、いつ」 読めばいいか が具体的に示されているので、計画表さえ作れば--そして、読書術を体得していれば--、ひたすら、読書に集中すればいいということです。
 こういう計画表を作成しないと、読書は、どうしても、みずからの嗜好に合う書物のみを--私のことを言えば、小説のみを--気ままに乱読してしまうので、仕事上、習得していたほうがいい関連知識の習得を疎かにしてしまう危険性が高い。奇異に聞こえるかもしれないけれど--そして、本文のなかに記載した計画表のなかに、コンピュータ の書物がないのですが--、私にとって、数学・哲学・英語は、仕事上、学習しなければならない領域です。数学・哲学の書物は、数学者や哲学者でないかぎり、まず、自主的に読む書物ではないでしょう。それらの書物は、読書計画表のなかに系統だって書き込まないかぎり、まず、読まないでしょうね。

 私は、独立開業して仕事を進めてきたので、組織の後ろ盾もないし、大きな組織と同じ仕事をやっていれば、私の存在価値などないし、独立して今まで 17年に及んで survive できなかったでしょうね。逆説的になるかもしれないのですが、仕事のなかで新たな問題点を感知して、問題点に対する ソリューション を考えるためには、みずから、学習を進めるしかなかった。しかも、その仕事が、ほかのだれもやっていない仕事となれば、なおさらのことでしょうね。したがって、仕事を つねに前進させるために、本文のなかで示した計画表を作成せざるを得なかったというのが本音です。




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  佐藤正美の問わず語り