2001年12月31日 | ゆく年、くる年 | >> 目次 (テーマごと) |
TH さん、一つの年が終わり新たな年が始まる日には、僕の大好きな断章の一つを贈りましょう。 [ 以下の断章は、「思想の花びら」(亀井勝一郎 著)のなかの「旅と人生」から引用しました。] 「私は田舎の小さな駅が好きだ。急行列車で通ると、あっというまに黙殺されてしまうようなその駅のこわれた柵にしがみついて、通過する列車を眺めているあの子供たちの眼を忘れられない。駅にはわずかばかりのコスモスの花が咲き、唯ひとりの駅長が、わびしげに線路をよぎると、あとにはひっそりと二本のレールが光っているだけだ。しかし子供たちはいつまでも柵を離れない。また通るであろう列車を待っているのだ。午後の日ざしのもの憂い空っぽの駅は、幼年の日の夢をしずかに育てているようである。」 さて、この文章を読んで、「追憶」を感じるか、「期待」を感じるか、、、、、。□ |
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佐藤正美の問わず語り |