人間一般を知ることは、ひとりひとりの人間を知ることより、やさしい。
己の感情は己の感情である。 己の思想も己の思想である。 天下に一人(いちにん)のそれを理解してくれる人がなくたって、己はそれに安んじなくてはならない。 それに安じて恬然(てんぜん)としていなくてはならない。