旅行は人間を謙虚にします。 世のなかで人間の占める立場がいかにささやかなものであるかを、つくづく悟らされるからです。
月の夜、雪の朝、花のもとにても、心長閑 (のどか) に物語して盃出したる、万の興をそふるわざなり。つれづれなる日、思ひの外に友の入り来て、とり行ひたるも心慰む。冬せばき所にて、火にて物いりなどして、へだてなきどちさしむかひておほく飲みたる、いとをかし。