じぶんの幼年時代のことを はっきりと記憶していないような者は、悪い教育者である。
帽は脱いだが、辻を離れて どの人かの跡に附いて行こうとは思わなかった。多くの師には逢ったが、一人の主 (しゆ) には逢わなかったのである。