思想の花びら | 2010年12月 1日 |
● アラン (哲学者) のことば
処世術というものは、なによりもまず、じぶんのした決心やじぶんのたずさわっている仕事について文句を言わないことだろう。
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● 有島武郎 (小説家) のことば
ある人が純粋に本能的の動向によって動く時、誤まって本能そのものの歩みよりも更に急ごうとする。そして遂に本能の主潮から逸して、自滅に導く迷路の上をまっしぐらに馳せ進む。そして遂に何者でもあらぬべく消え去ってしまう。それは悲壮な自己矛盾である。彼れの創造的意向が彼れを空しく自滅せしめる。知的生活の世界からこれを眺めると、一つの愚かな蹉跌として眼に映ずるかも知れない。たしかに合理的ではない。またかかる現象が知的生活の渦中に発見された場合には道徳的ではない。しかしその生活を生活した常体なる一つの個性にとっては、善悪、合理非合理の閑葛藤を挿むべき余地はない。かくばかり緊張した生活が、自己満足を以て生活された、それがあるばかりだ。
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