思想の花びら | 2011年 8月 1日 |
● ピカソ (画家) のことば
私にとっては、画は破壊の堆積である。私は画を描き、そして直ぐにそれを打ち壊す。だが結局のところ、何も失われてはいない。ここで切り捨てた赤は、また別な処に現れる。画を描きはじめると、よく美しいものを発見する。ひとはそれを警戒しなくてはならない。画を打ち壊し、何度でもやりなおすのだ。美しい発見を破壊するたびに、芸術家はそれを失ってしまいはしない。実際は、彼はそれを変化させ、緻密にし、より実質的にさせる。成功は発見を否定した結果である。
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● 有島武郎 (小説家) のことば
私の個性が表現せられるために、私は自分ながらもどかしい程の廻り道をしなければならなぬ。数限りもない捨石が積まれた後でなければ、そこには私は現れ出て来ない。何故そんなことをしていねばならぬかと私は時々自分を歯がゆく思う。それは明らかに愛の要求に対する私の感受性が不十分であるからである。私にもっと鋭敵な感受性があったなら、私は凡てを捨てて詩に走ったであろう。そこには詩人の世界が截然として創り上げられている。私達は殆んど言葉を飛躍してその後ろの実質に這入りこむことができる。そしてその実質は驚くべく純粋だ。
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