思想の花びら | 2013年 4月 1日 |
● アラン (哲学者) のことば
パルザック と スタンダール が見付けたことは、あたまのいい読者にはあまりに単純に見える。だが、うれしいことに、あの二人には、それが単純なものではなかった。というのも、人間の持ちまえの愚かさから出発して考えたからだ。彼らはおのれの生を解きほぐしていったのだ。これは私の考えだが、彼らはつねに一から始め、また、何事に関しても、あらかじめ理解しているということをしない。
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● 亀井勝一郎 (批評家) のことば
職業による制約は決定的であり、同時に現代にはもはや閑暇という時間は消滅した。複雑な社会組織の中にあって、その メカニズム の一員として、自発的というよりはむしろ他動的に働かされている。動くのではなく動かされている。間断なく動かされているというこの受動性から、独特の多忙さが発生する。絶えず何かを為していなければならないのである。それが パン のためであってもなくても、静止の状態が苦痛となってきたのだ。何もしない時間のもつ充実性を、現代人は失ったらしい。
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