思想の花びら | 2013年 5月 1日 |
● アラン (哲学者) のことば
人をよろこばそうとして工夫し、また人の気に入るものをかき集めようと無理をするのが、間違いのもとなのだ。そうするうちにも、ミケランジェロ のような人たち、ベートーヴェン のような人たちは、めいめいであの防波堤の石組みを築いている。そして、人間たちは思わず立ちどまる。彼らはうっとりしているのでもなければ、魅了されているのでもない。彼らは去りがたくてじっとしているのだ。
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● 亀井勝一郎 (批評家) のことば
これだけ娯楽が発達して、人は却ってほんとうの楽しみを失っているのではないかという疑いを私は抱く。楽しそうな外観を呈しながら、却って深い不安におびえているようにさえみえることがある。とくに大都会ではそうだ。つまり疲れているのだ。疲労の深さは刺戟を求めるものである。より強い刺戟によって疲労を痲痺させるわけだ。
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